【感想・ネタバレ】メイドの秘密とホテルの死体のレビュー

あらすじ

5つ星ホテル客室の謎の死
掃除メイドは何を見た?

事件にはもう一つの真相が…

社会性に乏しく、他人の意図を読みとることができないモーリー。彼女は9カ月前に亡くなった祖母の教えを頼りに、地元の高級ホテルで客室メイドとして働いていた。ところがある日、清掃に入った客室で悪名高い大富豪ブラックの死体を発見。警察の捜査が始まると、人づきあいが苦手で誤解を招きやすい性格が災いし、人々から疑惑の目を向けられる。さいわい、ずっと見守ってくれていた老ドアマンをはじめ、頼れる仲間が現われ、危機一髪を脱する作戦にでるが…予想もしない展開の奇妙な味のミステリー。

原題:The Maid

Amazon.com2022年前半期ベスト1(ミステリ/スリラー部門)
ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー1位(2022年1月)
フローレンス・ピュー主演で映画化決定!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

モーリー可愛い!とちょっと変わった主人公を読み始めから好ましく思った。
祖母以外の人間とはあまり良好な人間関係を築けないでいたモーリーだが、理解してくれる宿泊客に大富豪夫人との友情関係を素敵だと思っていたのに、事件後何やら怪しい展開に…
事件を解決するまでにこれまでの人間関係がふるいにかけられ、結果本当の友人ができる結末には心からホッとした。
殺人事件が起こるものの、推理小説ではなく、コージーと言えるほどのコージー要素もない。
ミステリというよりは、殺人事件を通して、1人の女性の心理描写や経験からの成長を描いたヒューマンストーリーといえるのではないかと思った。



大事なものの基準が違う、要するに価値観が違うと些細な挙動を誤解して受け取られ、理解してもらえない。
ひとつひとつは塵のように些細な事象だけど、積もれば山となって立ちはだかり、益々理解への道が遠ざかっていく。
どんなフィルターも通さずにそのままを見て、そのままを受け止め、理解ができなくとも勝手な思い込みで人を判断しない。どんな人にでも。そうなりたい。

逮捕され取り調べを受けているときのモーリーの的外れな受け答えは、もしかしたら読者の笑いを誘っているのかもしれない。
けれど、あらゆる場面で適切な対応ができる自信が自分にあるとは到底思えない私は、読んでいてとても辛かった。
みんなと一緒になりたくない、ちょっと違う人になりたいと小さい頃から思っていた。
でもそんなこと思わなくても自分はすでに充分違っていて、普通がわからなかった。
それからは普通になりたかった。
普通がわからなくても頑張って生きてる。
正しいことをしようと頑張ってる。
それはモーリーも一緒で、誤認逮捕後に保釈が認められようやく家に帰ることができたという状況下で、亡き祖母の昔ながらの友人ミスター・プレストンとその娘で弁護士のシャーロットが家に来てくれたことを喜び、「このような幸運に恵まれるような善行をしただろうか」と自分に問いかけるような、そんな人物。
だからこそ、不当な扱いを受けて傷ついているモーリーを想像するのは辛く、保釈を認めてもえらえたところで堪えきれず号泣した。

ジゼルとの友情の真偽はわからないけれど、清廉さと正しさと強さ、真の美しさを持ち合わせていたのは確実にモーリーだ。


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2025年12月22日

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