あらすじ
戦争で夫を亡くし若くして寡婦となったジェーンは、叔母の付き添いでエジプトのギザに建つメナハウス・ホテルに滞在していた。エキゾチックな異国の地での優雅なバカンス。だが、ホテルの客室で若い女性客が殺害され、偶然第一発見者となったジェーンは、地元警察に疑われる羽目になってしまう。疑いを晴らすべく、魅力的だがいまひとつ信用できかねる自称銀行員のレドヴァースの協力を得て真犯人を捜そうと奔走するが、さらに死体が増え……。エジプトの高級ホテルを舞台に巻き起こる殺人事件を描く、旅情溢れるミステリ。シリーズ第一弾!
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Posted by ブクログ
時代設定は1926年。この時代だからこそ引き立つこの物語の面白さがあると思う。
ジェーンとレドヴァースの関係性もすごく素敵でよかったなぁ
Posted by ブクログ
1926年のエジプト、高級ホテルを舞台にしたミステリー。アガサ賞デビュー長編賞受賞ということで読んでみたが、あまりツボにはまらなかった。アガサ・クリスティーが活躍した時代、異国情緒、怪しい登場人物たち、と好みの要素はあるのだけど、ちょっと展開が遅いというか、冗長に感じた。いわゆる「名探偵」タイプがいないからかもしれない。主人公ジェーンが探偵役ではあるけど、名探偵タイプではない。語りがジェーン目線なら、ジェーンをワトスン役にして、謎の英国紳士レドヴァーズか一癖ある叔母ミリーを名探偵役にしていたら良かったのになあ、と思った。
Posted by ブクログ
1926年。ミリー叔母の付き添いでエジプトのメナハウス・ホテルにやってきたジェーン。
戦争で未亡人となった彼女に有望そうな男性を紹介する叔母に辟易しつつ、ピラミッド群を眺望できるホテルで優雅な時間を過ごしていた。
そんなホテルでのパーティーの翌日、ジェーンは殺害された遺体の第一発見者となって。
チリチリと棘を持ってジェーンを容疑者扱いする警部。
警察が絡んだ途端にジェーンを避け始める叔母。
不自然に叔母と親密になる二人の若い女性たち。
胡散臭い紳士のサマラ。
阿片窟の常連と噂のホテルの専門医。
新婚旅行が身分不相応な愉快な新婚夫妻。
美丈夫な銀行員と自称する怪しげなレドヴァーズ。
旅先のホテルで誰が味方なのか敵なのか、ジェーンは自分への容疑を晴らすため、好奇心を満たすために犯人探しに乗り出す。
観光地、怪しげな美男美女、無謀なヒロイン、そして、ちょっとロマンチック。
2時間ドラマ感満載で、ジェーンが片平なぎさに見えてきた。
独りでそこに乗り込むの!とドキドキして、最後はやっぱりピンチに。
でも、登場人物たちも生き生きしていて、次から次へと起きる事件に明かされる謎、あっという間に読んでしまった。
エジプトの風景やイベントが魅力的で行ってみたくなる。
ギラギラとした太陽にじゃりじゃりの風、いいなあ。