あらすじ
神戸に住むかりんはお菓子作りが得意な高校生。祖母の遺品の中にあったドイツ語の本を従兄の慧に訳してもらい、一緒に読んでいくことにする。そこに書かれていたのは、19世紀末の寄宿学校を舞台にした少女たちの物語だった。赤ずきん伝説の残るドレスデン郊外の森、学校で囁かれる幽霊狼の噂。校内に隠された予言の書と宝物の言い伝え。読み進むうちに、二人は物語と現実を結ぶ奇妙な糸に気づく。そして浮かんできたひそかな悪意……。『ぬばたまおろち、しらたまおろち』の著者がグリム童話をもとに描いた神戸とドイツの不思議な絆の物語。
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Posted by ブクログ
現在と過去、現実と非現実。
そんな正反対の物が混ざり合い、溶け合う…
本来なら、関わらない2つが混ざり、影響し合う。
タイトルや、表紙の可愛らしい感じとは相反する、ドップリとはまり込むような不思議な物語。
現実との境が曖昧に感じる、とても印象的な小説でした。
Posted by ブクログ
今と昔
過去と未来
いくつもの時代をつなげる出来事。
あとがきにもあったように、ワクワクするような少女ものから、
ミステリーに、そしてファンタジーに!
童話を読んでいるような、重厚な小説を読んでいるような。
本当に面白かった。
ロッテ含め、皆の未来が明るいものでありますように。
Posted by ブクログ
楽しかった。
面白かった。
でもそれだけじゃない。最後の章を読むときは、涙腺ゆるみっぱなしでした。
何度も読み返して、一生付き合う本になりそうです。
Posted by ブクログ
歴史ファンタジーにしてタイムファンタジーの傑作。ロッテの語るところ、本当にドイツ人が書いたと言われても信じちゃいそう。まさかまさかの展開と清々しいラスト。こういう一冊に出会えるからファンタジー読むのやめられない。
Posted by ブクログ
プロローグ 三月
丘の上の女学校/お昼寝熊さんとひらひら狼
間奏 一 五月
ドッペル……?/消えた肖像画/階段の罠
間奏 二 六月
木苺の契約/月光文書とマイセンと
間奏 三 八月
神戸から来た人形/ドレスデン滅亡/もう一つの暗号
エピローグ 八月の終わり
ファンタジーと思ったら結構リアル。不思議な出来事もあってなかなか良い世界でした。
Posted by ブクログ
学校 ★★☆ 大人読書 ★☆☆
ドイツ人だった祖母の十三回忌で、高校生のかりんと大学生の従兄の慧は伯父から遺品のドイツ語小説を渡される。
祖母が大切にしていたという本をかりんは読んでみたいと思い、ドイツ語が読める慧に翻訳を頼む。慧はその代わり祖母の思い出のケーキが食べたいといい、お菓子つくりの上手なかりんにそのケーキの再現を頼んだ。
ドイツ語小説の主人公はロッテ。
ドレスデンの郊外キルシュバウムの女学校に転校してきたロッテは、この地に伝わる謎に大きく関わることになる。
1つ目はキルシュバウムの森が赤ずきんの舞台であり、退治された狼の毛皮が月がきれいな夜に現れるという謎。
2つ目は女学校の昔の城主の肖像画を描いた画家ルンペルシュティルツヒェンは未来を知っていて、その未来を書いた月光文書が城のどこかに隠されているというもの。
女学校の大部屋で同室の少女たちを巻き込み、二つの謎は大きな事件へとつながっていく。
舞台の中心はドイツ語小説の世界だけれど、ドイツ人の祖母が切っ掛けとなっているので現代の話が途中で差し込まれる。世界観が違う二つの物語だ同時進行するので読みにくさを感じるかもしれないけれど、最後まで読むと納得できる。
青春・推理・ファンタジー・恋愛をちょっとずつブレンドしたようなお話で、縦横の物語の糸がからまっているので、じっくり読みたい派の人にはお勧め。