あらすじ
生命力あふれ、ひたむきでどこかユーモラスな三人の女性の、沖縄式生き方のすごさ!選考委員の圧倒的支持を得た芥川賞受賞作!
突如スナックに闖入してきた豚の厄を払うため正吉と三人の女は島に向かった。芥川賞受賞の表題作と「背中の夾竹桃」を収録する。
解説:崔洋一
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高を括って居た。語彙不足のウチナーンチュが書く小説なんて・・・・と。芥川賞を取ったとき読んでいるのですが、覚えているのは、豚がスナックに闖入の場面だけ。改めて読んでみて・・・フ・カ・イ
やればできるじゃないかウチナーンチュ
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沖縄の濃厚な匂いが漂ってくる小説。『豚の報い』なんてタイトルは本土ならばホラー小説くらいでしか用いられなさそうだが、沖縄では豚は特別な動物。不穏なタイトルからいきなり豚がスナックへ闖入してくる冒頭の展開になんじゃこの小説と戸惑っていたはずが、見事に沖縄の空気を描き切っている物語にどんどん引き込まれていく。文学でしか表現出来ない沖縄の魅力満載。ラフテー食べたい!
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95年に芥川賞を受賞した表題作ともう一遍『背中の夾竹桃』を収録。傑作だった。沖縄・久高島をモデルにした舞台で繰り広げられるコミカルな人間模様。終盤は一転して風葬をモチーフに物悲しく深遠な結末。沖縄の空気感がよく伝わってきた。
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小さなきっかけでも、偶然と呼べないほど濃い思い出になるのも、思い掛けのない時に起こるんでしょうかね。後半のまた違った物語も、夏の思い出のような感じで好きだった。何気ないどうでもいい会話もあれはあれで特別なように感じた。芥川賞を取ったので読んだけど、案外普通のストーリーだった。
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表題と芥川賞作品と言うことに引かれ購入したのですが。。。。
なんだか合いませんでした。
何か入り込めない、主人公と離れてしまう感覚があるのです。著者には何か下敷きがあって、その上にこの物語が書かれているのですが、その下敷き部分が私とはズレている感じです。
背景描写の少ない作品なのです。登場人物の年齢も性格も。小説の枕部分でサラリとその人物、背景を特徴的に示すエピソードなどが示されることが多いのですが、この小説にはそうしたものがありません。その所為なのかもしれません。
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食用とされるべき運命にまつろわぬ豚は
世界のシステム・リーンカーネーションの輪から離れ
再生を拒む亡霊として漂い続けるのだ
亡霊は、同じくまつろわぬ意志を持つ者のにおいをかぎつけ
これにすりよってくる
それが不幸のしるし…いわゆる「厄」である
しかし、そのように厄を受けることは、結果的に
生き方を反省する契機となるもので、必ずしも悪いことではない
懺悔するべきである
亡霊を引き寄せる心のやましさを
死者の世界の入り口に向かって吐き出すのである
そうすれば一時的にせよ
罪は許され、不幸を遠ざけることができるだろう
「豚の報い」は、優柔不断な若者がなりゆきで預言者となり
沖縄本島から、スナックのママたちを約束の地へとみちびく物語
少年よ神話になれである
これが、オウム事件の直後にもかかわらず芥川賞を獲ってしまった
ニューエイジ・オカルトの延命策か
当時、米兵の暴行事件があって
沖縄問題がマスコミにクローズアップされていたのは確かだが…
Posted by ブクログ
沖縄の日常性を描く。
本当にありそうな情景が描かれている。
沖縄という文学の題材は、
「自然」と「戦争」という矛盾した歴史が
深く横たわっていることがある。
その中を貫く沖縄の文化が、
沖縄のアイデンティティを証明することになる。
主として、「戦争」の重荷を主体として描くところに
沖縄文学の特徴があるように思う。
それをのりこえているかもしれない。
沖縄の日常性は、「みどり街」の女性たちで
作られているのかもしれない。
ウタキ、ユタ、先祖崇拝、父親とのつながり