あらすじ
「自分の考えが絶対に正しい!」と他人に意見を押しつけSNSを炎上させる人.その一方で,たやすく人の意見に流されてしまう人々も….不安と不信が蔓延する社会において,私達は何を拠り所にすればよいのでしょうか.自分を信じて自分らしく生きるためのヒントを人気作家・真山仁さんが語ります.特別書下ろし.
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Posted by ブクログ
発信者の意図を正しく理解することが大切だと感じた。
言葉尻だけを取り上げて、批評するのではなく、なぜそう言ったかを背景を知ることが大切。
それぞれの立場での正しさがあるため、コミュニケーションを通して、お互いを理解し、妥協点を探る必要がある。そのためのコミュニケーション。
クリスティを読んでみたい。
Posted by ブクログ
ジュニア新書だったのね。子ども達に向けての一冊。
読みやすくて良い。
情報には発信者の期待がこもる。
「情報」には情に報いる、という意味がある。なるほど、すごく納得した。それを念頭においてニュースとか見ると、なかなか面白い。
正しいを疑う力を身に付けるぬは「小説」を読め!
面白いし、有効手段の一つだな。
「何になりたいか」じゃなくて「何をしたいか」を追い続けるという思考は、目から鱗だった。
この方の小説、元々好きなんだけど、こういう想いがあっての作品だったのだ、ということがわかって良かった。
Posted by ブクログ
・日本では「話せばわかる」はずだから、コミュニケーションが重要と考える。外国では「話しても分からない」からこそ、互いの妥協点を見つけるためにしっかりと話し合うことが必要と考える。つまり根本的にコミュニケーションの捉え方が違う(p.6)。
・島国という地理的条件、長く続いた鎖国。日本では国民が均質で同一の価値観を有する社会になった。つまり、「多様性」から最も遠い文化の中で生きてきた。(p.12)
・自分の信じている神こそが世界最高だ。多くの「迷える子羊」に最高の神様を教えてあげたい。異教徒の目を覚ましてあげることこそが、信徒の使命=正しいこと、だと考える。
・日本人と中国人は明らかに価値観が違う。人生の優先順位も違う。似ているのは容姿くらい。(略)ある街で白っぽいキクラゲを黒く塗って「黒いクラゲ」として売って大儲けした男が詐欺で捕まった。薬効があるといわれている黒いクラゲは昔から高級品。このニュースを知った多くの中国人は「そんな簡単なことで高く売った奴はすごいな」と。詐欺を働いた悪人じゃないかというと「だまされる奴が悪いんだよ。そのアイディアを考えた奴はすごい」と感心する。(p.78)
・中国人は家族や仲間を大切にするが、そうでない人に対してはかなりドライ。また、政治の話をすると、圧倒的な自己正当性を主張する。世界で一番強く正しいのは中国だと(世界の中心は中国と=中華思想)、ごく普通の人が当たり前に主張する(p.80)
・中国人はアメリカ人に似ている。他国にはあまり興味がなく、常に自分たちは絶対に正しく良い国だと胸を張っていう。
・世界は今、「ポスト真実」(世論の形成に、真実ではなく個々の感情が優先される時代)が到来した(p.120)。SNSを通して世論が暴走する。
・人の数だけ「正しさ」がある。自分の価値観をもとに「正しい」と考えるのは自由ですが、それを他人に押しつけてはいけません。お互いが多様性を認めていれば、価値観が異なる人とも仲良くできるはずです。自分と違う「正しい」を訴える人は魅力的に見えます。視野を広げてくれるからです。ひとつの物事に複数の「正しい」があるとするならば、皆が認め合いながら「落としどころ」を探す大切さが見えてくるはずです。(pp.164-165)