あらすじ
総勢130名の〝証言〟によって炙りだれる衝撃の製作の裏側!
アカデミー賞6部門受賞、史上最高のアクション映画と讃えられる
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
だが、本作が劇場公開にこぎつけたのは奇跡だった……
現代の古典たる本作が完成にいたる道のりはほぼ20年におよび、監督のジョージ・ミラーは不測の事態に何度も翻弄されながら、ハリウッドでもまれにみる困難な撮影を達成しようとした。
数度にわたり製作は立ち往生、主演のトム・ハーディとシャーリーズ・セロンは過酷な環境のナミブ砂漠でたびたび衝突し、ミラーのスタッフが繰りだす命知らずのアクションシーンは危険極まりない撮影となった。
著者のカイル・ブキャナンは、映画製作のあらゆるステップを克明かつ臨場感たっぷりに体験させてくれる。
『怒りのデス・ロード』の意外な起源から、奇抜なキャスティングの過程、世紀の傑作を危うく骨抜きにしかけた大手スタジオとのバトル──。
撮影は常軌を逸するあまり、映画の空想世界がキャストとスタッフの実生活を浸食しはじめる。
自分自身の《荒野(ウェイストランド)》で闘い、ぎりぎりで持ちこたえながら前進するには唯一、監督の《マッドな》ヴィジョンを信じる以外に道はない。
とはいえ、すべてが裏目に出るような状況で、ミラーはいかにして己のヴィジョンを貫きとおしたのか?
百数十名もの人々におこなったインタビュー、そして『怒りのデス・ロード』の内幕をつぶさに読んだ読者は、否定しがたい結論に達する。これほど汗みずくになり、炎で鍛えあげ、スケールのでかい映画がつくられたことは、かつてなかったと。
この映画に出演したことがどれほど大きな意味を持つか、
とても言葉にはできない。
もうもとには戻れないほど、ぼくは変わった
──トム・ハーディ
間違いなく、これまででいちばんたいへんな仕事だった。
撮影で負った〝体が覚えている〟レベルのトラウマを、
いまだにぬぐいきれないほどね。
──シャーリーズ・セロン
これは、自己保存についての物語だ。
相手を殺すことがきみに利するならばそうすべきで、
ためらう余地はない。そんな情緒が、俳優たちに影響したんだと思う。
──ジョージ・ミラー
現場ははっきりいって、カオス状態だった。
──ニコラス・ホルト
撮影終了間際になって、どれほど深くうさぎ穴を落ちたのか、
みんなやっと実感したんじゃないかな。
──ゾーイ・クラヴィッツ
だけど撮影で味わったつらい体験も演技に生かせたはずよ。
現場が大混乱だったことが、あれほどすばらしい映画になった理由だから。
──アビー・リー
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
制作過程の困難さや、監督達の想像力のすごさ、俳優や美術など、関わる人達のプロフェッショナリズム、そういうのが見れてすごく面白い
とにかくスケールがデカいので、冒険譚でも読んでるようなアドレナリンが出る
Posted by ブクログ
【この映画は、とどのつまり、棒で叩いたって死なない。挫折の連続だった。三つのスタジオを転々とした。わたしはただ、惑星直列の瞬間を待つ必要があったのさ】(文中より引用)
映画史に残るアクション映画として高い評価を受け、ポップ・カルチャー界に旋風を巻き起こした『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。完成そのものが偉業にして奇跡とさえ評されたこの作品を、ジョージ・ミラー監督を始めとする関係者の証言から振り返る一冊です。著者は、「ニューヨーク・タイムズ」でコラムを執筆するカイル・ブキャナン。訳者は、映画関係の翻訳も数多い有澤真庭。原題は、『Blood, Sweat & Chrome; The Wild and True Story of Mad Max: Fury Road』。
本書を一読し「そりゃとんでもない映画になるはずだわ」という感想を抱きました。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が傑作中の傑作であることは論をまたないのですが、その製作過程がまさにここまで狂気に満ち満ちたものだったとは。映画の熱量をそのまま感じ取ることができる内幕本でした。
改めて観賞したくなってしまうではないか☆5つ
Posted by ブクログ
みんなすごい証言すぎて笑っちゃう。
草生えちゃったところとか爆笑。
ドラマにしようとしてて、その車の模型を見て監督が上がっちゃうところとか。
映画同様狂ってる!
まるでメイキング動画の書き起こしみたいな構成。
口述というのが特徴なので読みづらさもあるけれど、生々しくて伝わってくる。