あらすじ
通称:令和反逆六法――
六つのレイワ、六つの架空法律で、現行法と現実世界にサイドキック!
「命権擁護」の時代を揺さぶる被告・ボノボの性行動、「自家醸造」の強要が助長する家父長制と女たちの秘密、「労働コンプライアンス」の眩しい正義に潜む闇……。
痛烈で愉快で洗練された、仕掛けだらけのリーガルSF短篇集。
【収録短篇および各話の架空法律】
◇第一話 動物裁判
礼和四年「動物福祉法」及び「動物虐待の防止等に関する法律」
◇第二話 自家醸造の女
麗和六年「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達(通称:どぶろく通達)」
◇第三話 シレーナの大冒険
冷和二十五年「南極条約の取扱いに関する議定書(通称:南極議定書)」
◇第四話 健康なまま死んでくれ
隷和五年「労働者保護法」あるいは「アンバーシップ・コード」
◇第五話 最後のYUKICHI
零和十年「通貨の単位及び電子決済等に関する法律(通称:電子通貨法)」
◇第六話 接待麻雀士
例和三年「健全な麻雀賭博に関する法律(通称:健雀法)」
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Posted by ブクログ
法曹SFと言うべきか「もしも架空のレイワにこのような法律が出来たら?」を書いた本。
個人的には1作目の様な架空の法律を舞台に法曹界を描く小説だと考えていたため、他の作品は毛色が違っていて困惑した。
それこそ1作目は自分の事を崇高な人間だと考えている下賎な弁護士の姿が皮肉的に書かれていて良かった。
だが、他の作品は法曹の関係性が薄そうなものや根本的に面白さを感じない作品が多かった。
Posted by ブクログ
新川先生の短編集は初めて読んだので新鮮でした。
SFのリーガルミステリーとのことで、絶妙に親近感があるものを題材に架空の世界線、架空の法律を作っている。
それぞれの話にそれぞれの味というか、オチの種類が違っていて、ワンパターンでなく面白かったです。
自家醸造の女と、最後のYUKICHIはブラックユーモア感があり、健康なまま死んでくれも切なさがあって好みでした。
動物裁判では弁護士が気持ち悪いな〜と思いながら読んでいたので最後に成敗?されてちょっとスッキリ(もちろんやりすぎだとは思う)
シレーナの大冒険は突拍子もなさすぎる感じがあってついていけなかった…南極…
でも仮想現実がどんどん浸透していけば、これに近いことも起きるのかな。
接待麻雀士は麻雀ルールをよく知らない自分からするとかなり胸糞悪いだけで終わった…
Posted by ブクログ
6篇の短編集。それぞれ架空の法律が設定されているという世界の話。何かあんまり面白くなかった。帯に初のリーガルSF短編集、とあったけど、これはSFなのか?「シレーナの大冒険」と「接待麻雀士」はそれぞれバーチャルの世界や麻雀について詳しくないから、特に面白くなかった。「健康なまま死んでくれ」は現実にもありそうと思った。つーか、出てきたピッキングの作業が今の仕事とかぶるから、余計にそう思うというか、底辺の仕事だなと思いながらやってるからか。気楽で楽しいけど。「動物裁判」が一番面白かったかな。やっぱボノボは賢いよね。大学時代を思い出すなぁ。