【感想・ネタバレ】令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法のレビュー

あらすじ

通称:令和反逆六法――
六つのレイワ、六つの架空法律で、現行法と現実世界にサイドキック!

「命権擁護」の時代を揺さぶる被告・ボノボの性行動、「自家醸造」の強要が助長する家父長制と女たちの秘密、「労働コンプライアンス」の眩しい正義に潜む闇……。
痛烈で愉快で洗練された、仕掛けだらけのリーガルSF短篇集。

【収録短篇および各話の架空法律】
◇第一話 動物裁判
礼和四年「動物福祉法」及び「動物虐待の防止等に関する法律」
◇第二話 自家醸造の女
麗和六年「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達(通称:どぶろく通達)」
◇第三話 シレーナの大冒険
冷和二十五年「南極条約の取扱いに関する議定書(通称:南極議定書)」
◇第四話 健康なまま死んでくれ
隷和五年「労働者保護法」あるいは「アンバーシップ・コード」
◇第五話 最後のYUKICHI
零和十年「通貨の単位及び電子決済等に関する法律(通称:電子通貨法)」
◇第六話 接待麻雀士
例和三年「健全な麻雀賭博に関する法律(通称:健雀法)」

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Posted by ブクログ

色々なレイワの法律が登場。
こんな法律あるのかという面白さが満載だけでなく、社会問題に対する切込みも鋭いと思います。
でも、こんな法律が気が付かないうちに制定されたら...ちょっと怖かいも。他人事だから楽しめます。

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2025年09月12日

Posted by ブクログ

なが~いタイトルで、読み始めたら、
なんだ、なんだ、この本は!

SFと法律とミステリーとの、ごちゃまぜのストーリー!

短編なのに、内容がぎゅっとつまっていて、人物の生き様や心理描写が細かく、その世界にどっぷりとつかってしまう。

星新一や、筒井康隆を思い出した。

次なる「レイワ」は、何が来るんだろう。
来てほしい。
当然、架空であってほしいけど。

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2025年09月03日

Posted by ブクログ

いや〜面白い。リーガルSFとの触れ込みだけれど、ショートショートとしても読める。最近のショートショートは“不思議な話”やアイデアに焦点が当てられることが多いけれど、かつての御三家(星新一・筒井康隆・小松左京)の流れをそのまま汲み、社会問題や皮肉も盛り込みながら、現代にアップデートしたような短編集。

6本収録されているが、どれも面白い!

設定は架空の日本、といっても現代の日本と並行世界で、各話「“ある法律”が設定されただけで世界がこんなに変わる」と見せてくれる。
タイトルのレイワが片仮名になっているが、各話では「礼和」「麗和」「冷和」「隷和」と漢字となっており、新しく成立している法律のニュアンスを残しているのも面白い。

受験期、聞いた話で印象に残っているものがある。「学部の難易度は、一般的にミスをしたら人が死にやすい順番」になっているというもの。理系なら医学・薬学・理学、工学部のなかでも建築、文系ならば法学・経済学……。

法律で世の中を変えるのか、世の中が変わったから法律をそれに合わせるのか、小説内にはどちらのパターンも出てくるけれど、大きく世界のあり方を変えたり確定させたり、法律というものの影響力が大きいことを実感する。

礼和四年「動物福祉法」及び「動物虐待の防止等に関する法律」成立は、動物にも人権同等の権利が認められた世界。人権という言葉は効力を失い「命権」なるものが定められている。いきなり訴状から始まるのも面白い。内容は動画配信をしている猫が、アシスタントを務めるボノボからセクハラを受けたというもの。訴えられたボノボはタブレットを使って喋れる、主人公は彼を擁護する弁護士だ。「爬虫類にも移動の自由を!バスに乗せろ!」などと、権利団体が駅前で叫んでいる描写も面白く読んだ。もちろん肉を食べることは禁止されているので、みんな隠れて食べている。

麗和六年「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈(通称どぶろく通達)」成立は、自家醸造が認められた世界。主人公の女性は日本酒教室に通っているがうまく作れない。仕方なく友人が作ったものを姑家族のために持っていくが、やたらと気に入られ、同じものを作り続けないといけないハメになってしまう。

零和十年「通貨の単位及び電子決済等に関する法律(通称・電子通貨法)」成立の章は、現金の使用が罪になった世界。しかし電子マネーだけで経済が回っているのは都市部だけで、田舎はまだまだ隠れて現金を使っている。ウラジオストクマフィアや香港金融とつるんで悪さをする世界線も面白かった。筒井さんの『最後の喫煙者』オマージュかな。

新川帆立さんをデビュー以来追いかけているけれど、こんな作品も書けるんだと驚いたものも多かった。最近は漫画にも挑戦しているようで、引き続き応援している。

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2024年11月08日

Posted by ブクログ

若い頃にはSF小説は読めませんでした。
頭が硬すぎて、こんなのあるわけない、と途中で投げ出していたと思います。
今、面白かった。頭の中でいろいろくるくる創造されて、良い頭の体操になりました。

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

よくもまぁこんな奇想天外な設定を思いつくこと。
と感心していたけれど、
女性の参政権が行使されてからたかだか80年、
子供の人権にだって、そう歴史は長くないはず。
大多数、に入れてもらった途端に、
透明にされてる存在のことは気にもかけない。
動物、仮想空間、いろんなモノやコトがこれから市民権を得ていくのであれば、そう荒唐無稽なお話ではないのかも、と思ってしまう作家の腕よ。

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

架空の法律とそれに伴うリーガルミステリって塩梅が結構難しいと思うのだけれど、上手く料理されてて面白い。もっとSFに振ったのも新川帆立なら面白く書けるんじゃないかな〜と思ったり。

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2025年04月29日

Posted by ブクログ

流石は弁護士,雀士の帆立さん!
6話の架空法のお話しです。
ファンタジー的な感じで、おんなの国会しか読んでいない私にはこんな作品もあるんだ!って思いました。
皮肉が効いている短編でした^_^

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2024年10月14日

Posted by ブクログ

帆立さん、締切と闘いながら懸命に捻り出したと想像できるような短編集。
かなり突飛な内容のお話ですが、そこは帆立さんですから、きちんと仕上げてあります。この設定でどう落としてくるのか、わくわくしながら読めました。所々、スパイスのように散りばめられた毒(オッサンがオッサンであるだけで汚いと思われるようにな、とか)に失笑しながら(笑)
『自家醸造の女』『健康なまま死んでくれ』の2編がお勧め。

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2024年08月05日

Posted by ブクログ

6つの『レイワ』時代のリーガルミステリー!ちょっとゾクッとするような話があったり……でも全編良くできたお話でした!面白かった!

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2024年06月23日

Posted by ブクログ

265ページ
1650円
4月11日〜4月13日

よくそんな架空の法律を思いつくなぁと感心しきり。しかも6つの短編集で、それぞれに違う設定だし、毛色も全く違うし。読み始めは、思っていたような話でなくて少し残念に思ったけれど、どんどん引き込まれていった。最後の麻雀の話が、悲しい終わりで辛かった。

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2024年04月13日

Posted by ブクログ

新川帆立さんの新境地!架空の法律から着想を得て、物語が展開していくなんて、面白い視点でした。短編、それぞれがキャラが濃いけど、1番はやっぱ醸造!自分でお酒作るのが当たり前な世界って。面白すぎる。

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2024年04月04日

Posted by ブクログ

現代の社会問題をパロディ化した物語の筋は面白かった。展開も予想できなかった。ただもっと長くて二転三転しても良いかと思う。

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2023年10月16日

Posted by ブクログ

 令和の時代の世相を切り取って架空の法律を生み出すひらめきと、常識を覆す展開やキャラクターを期待しながら読んだ。6篇の短編のうち特に面白かったのは「健康のまま死んでくれ」で、目のつけどころ、展開、そして意外な結末と、随所に工夫が見られ、十二分期待に応える作品だった。しかしそれ以外は、着想の新奇さが足りなかったり、ファンタジー寄りすぎたりで、多彩で読み応えのある小説を書いてきたこの作家への期待値に見合うものではなかった。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

法曹SFと言うべきか「もしも架空のレイワにこのような法律が出来たら?」を書いた本。
個人的には1作目の様な架空の法律を舞台に法曹界を描く小説だと考えていたため、他の作品は毛色が違っていて困惑した。
それこそ1作目は自分の事を崇高な人間だと考えている下賎な弁護士の姿が皮肉的に書かれていて良かった。
が、他の作品は法曹の関係性が薄そうなものや根本的に面白さを感じない作品が多かった。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

SFっぽい要素満載の架空の法律がネタになっている短編集。全般的にまだティーンだったころに筒井康隆小説読んだ時とおなじような読み心地でした。
話はそれぞれ独立していて、結構面白いなと思うものと、ぶっとびすぎていて理解がついていけないものがありました。
「動物裁判
原告被告に動物が。たいていは代理人として飼い主が立つのだが、知能が高かったりトークマシンある時は本人が裁判の場へ。
[自家醸造の女」
GHQにより禁酒法が施行された世界を通った世界。お酒もなにもかも手作り至上主義が蔓延る世の中でそれに反対したくて、できなくて友人を頼ってみたり、こっそり通販使ったり。
[シレーナの大冒険」
なぜ南極の扱いを争っているのか?そこには現実社会とはべつにとある、〇〇な世界がかかわっていた。
一番好みに合致していたかも。ただ、短編だと登場人物の心に寄り添うまでいかないし、設定の理解が難しかった。ソードアートオンラインっぽかった...と書くとネタバレになるな。
「健康なまま死んでくれ 」
労働環境がいまより行き過ぎているような社会で工場で底辺として勤める男性。取り締まりが厳しく、隠さないといけないような事故などを取り繕うための事件が起こる。この小説が一番現世に近くて身近に読めた。
[最後のYUKICHI」
通貨が利用されなくなり持っていることが取り締まられたり、周りの自警団に追い詰められたり。えー、そんなふうにはならないんじゃない?と思った時点でこの話には入り込めなくなります。
「接待麻雀士 」
”健全な麻雀賭博に関する法律”で認知症予防としても有効だと賭け麻雀が合法化され、それを利用し、賄賂としてわざと計算通り負けて賄賂を公然と渡すようなしくみができていた。女性麻雀師もアイドルのような人気商売で、主人公はその波に乗れず、接待麻雀師になっていたのだが、ある日事件に巻き込まれて...。

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2025年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新川先生の短編集は初めて読んだので新鮮でした。
SFのリーガルミステリーとのことで、絶妙に親近感があるものを題材に架空の世界線、架空の法律を作っている。
それぞれの話にそれぞれの味というか、オチの種類が違っていて、ワンパターンでなく面白かったです。

自家醸造の女と、最後のYUKICHIはブラックユーモア感があり、健康なまま死んでくれも切なさがあって好みでした。

動物裁判では弁護士が気持ち悪いな〜と思いながら読んでいたので最後に成敗?されてちょっとスッキリ(もちろんやりすぎだとは思う)
シレーナの大冒険は突拍子もなさすぎる感じがあってついていけなかった…南極…
でも仮想現実がどんどん浸透していけば、これに近いことも起きるのかな。
接待麻雀士は麻雀ルールをよく知らない自分からするとかなり胸糞悪いだけで終わった…

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2025年07月14日

Posted by ブクログ

06月-04。3.0点。
令和の時代に、架空の法律が施行される。その法律にまつわる短編集。少しブラックユーモア的な感じ。

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2025年06月09日

Posted by ブクログ

摩訶不思議な法律があったらという変わった短編集
動物福祉法
酒税法
南極議定書
労働者保護法
電子通貨法
麻雀法
今ある法律の解釈を変な方向に進めると世にも不思議な物語ができてしまうというSF小説かなあ
楽しめそうだけど考えてしまうような
変な感じ

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2025年06月03日

Posted by ブクログ

動物裁判が一番おもしろかった。普通に今後ありそうな話。
最後の接待麻雀の話は、法律はあんまり関係ない?と思った。人間関係がこじれた話で、塔子の行く末が気になる。
題名が面白かったので、架空の法律に絡めてもっとこんな話読みたいと思った。

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

う〜ん、なんと言うか。。。
決して面白くないわけではありませんが。。。
タイトルに『六法』と言う単語が入っているので、もっとガッツリ法令的な部分を作り込んでくるかなと期待したのですが。
その辺があっさりし過ぎてた感があるので、ちょっと拍子抜けでした。
もっとも、法律の話をガッツリ入れてしまうと面白くなくなってしまいかねないのでしょうが。
話としてはテンポよく進んでいくのでサラッと読めるんでしょうけど、肩透かし喰らった分読んでいくノリが少し悪かったように思います。

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2024年12月24日

Posted by ブクログ

何だろう。
こういう小説を読んだ時の違和感。
決してアイデアが悪いわけではない。文章が下手なわけではない。上手ではないが。
なのに、満足感がない。
ほら、こういうのって面白いでしょう、って見せられてるみたいな。
自分の中でも消化しきれてないのだが、何というか、作者が見えるということなのかなあ。没頭できないというか、共感できないというか。

そういう本。

作者は、弁護士。今は休業中らしいが。
おそらく、相談の中で得られた着想とか、昨今のいろんな、法や権利に関わる問題をタネにして話を膨らませている。

アホくさい権利の無条件の拡大とか、セクハラとか、高邁なご意見の底の、浅ましい人間の意識とか、古い社会の「主婦」だとか、なんとかかんとか。接待麻雀まで絡んでるのは、この人が元プロ雀士だからだったのか。

もっと面白くなったと思うねん。
どの一作でも、もう一年くらい構想練り込んで、もう少し面白いもんにできたと思うねん。

なんかこう、アイデア軽薄にぶちまけて、まあ、大学の文芸サークルくらいの感じか。

読み手が年取ったせいかなあ。ページ閉じるほどの不快感では無いが、満足ができない。

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2024年12月19日

Posted by ブクログ

架空の法律をテーマにした事件のお話。
よくこんなテーマを思いつくなーと感心してしまうほどユニークな法律。
私たちの現在の地球の令和の時代には起きるはずのない事件でも、別の世界線の「冷和」や「隷和」や「麗和」の時代には起こりうる話を面白く覗かせてもらった気分。

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2024年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

6篇の短編集。それぞれ架空の法律が設定されているという世界の話。何かあんまり面白くなかった。帯に初のリーガルSF短編集、とあったけど、これはSFなのか?「シレーナの大冒険」と「接待麻雀士」はそれぞれバーチャルの世界や麻雀について詳しくないから、特に面白くなかった。「健康なまま死んでくれ」は現実にもありそうと思った。つーか、出てきたピッキングの作業が今の仕事とかぶるから、余計にそう思うというか、底辺の仕事だなと思いながらやってるからか。気楽で楽しいけど。「動物裁判」が一番面白かったかな。やっぱボノボは賢いよね。大学時代を思い出すなぁ。

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2024年07月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

パラレルワールドの「レイワ」時代に制定された新たな法律をテーマにした6つの短編集。
1本目の動物裁判が印象的だった。
動物の命も人と同等に尊重する動物福祉法が制定された中で、動物のために裁判を闘う物語。
動物裁判を専門にしている弁護士は、動物の権利を尊重する自分を先進的だと自負しているが…。

結局は無意識に女性を下に見ている、古い人間であったというオチ。
パラレルワールドの話だけれど、多様性を尊重する現代社会でも忘れてはいけない教訓が得られる。

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2024年06月22日

Posted by ブクログ

異なる6つのパラレルワールドの〈れいわ〉に制定された架空の6つの法律をテーマにした短編集。

『酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達(通称:どぶろく通達)』、『健全な麻雀賭博に関する法律(通称:健雀法)』など…荒唐無稽で奇抜な法律が登場して非常に面白かった。
荒唐無稽…とはいうものの、それぞれの法律がインセル、男女差別、バーチャルリアリティ、派遣労働者…等々の日本の社会問題を批判したものになっているのがお見事。
新川さんの作品を読むのは初めてだったのですが、非常に読みやすくて面白かったので、他の作品も読んでみたいです。

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2024年06月02日

Posted by ブクログ

どの話も新しい感覚で、法律を作ってしまうとはさすが弁護士、と思った。
南極の話は序盤で設定がわかった。
印象が強かったのは最後の賭け麻雀の話で、麻雀のルールを知らないのでプレーは分からないのだが、最後はこうくるか、と思った。後味はあんまり良くない。

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2024年01月14日

Posted by ブクログ

なんかすごいタイトルだなって思ったけど、新川帆立さんの作品なので読んでみた。
いわゆるパラレルワールドのレイワでの法律に基づく短編集。
でもそのうちほんとになりそうなリアル感もあり。動物にも平等があたえられたり、お金が感染源として汚いとされて完全キャッシュレスになってたり、なんか完全にフィクションとして素直には笑えないリアリティ

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2023年12月30日

Posted by ブクログ

その他のレイワにおける新立法の世界。「動物福祉法」と「南極議定書」の話が面白かったです。
そんな立法できないだろうと思いつつも、もしかしたらそんな法律できたら…っていう世界観興味深いです。
それよりも著者のスペックがいつもすごすぎて笑

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2023年12月20日

Posted by ブクログ

“レイワ”の時代の6つの法律にまつわる短編集。 良法なのか悪法なのか?ハッピーエンドかバッドエンドか?どちらにも取れるものばかりでなんとも言えない複雑な気持ちになる話。人の為に法律があるはずだけど、その法律に人が振り回されまくっている。近い将来有り得てしまいそうな怖さがある。

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2023年11月27日

Posted by ブクログ

奇妙だけど絶対に有り得ない!と言えないレベルの法律や世界観に生きるひとたちの短編集
なんとなくどぶろくの話が1番印象深かった

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2023年11月26日

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