【感想・ネタバレ】安心の社会保障改革 福祉思想史と経済学で考えるのレビュー

あらすじ

日本はデンマークに学べ!
高福祉・高負担のスウエーデンとデンマーク、低福祉・低負担のアメリカ、中福祉・中負担のドイツとイギリス。それでは日本の福祉はどのような姿であるべきか?
福祉や社会保障制度の改革が問われ、かつ議論されてきて久しいが、社会保障を福祉の思想史、経済学の思想史から系統的に論じた本はあまりない。
本書では、先進国において人々が福祉をどう理解し、国民がどう対処してきたかを福祉思想という観点から総合的に評価する。この評価にあたっては、福祉を社会学、経済学、哲学・思想、政治学がどのように考えて、どのような政策を提言し、かつ実行してきたかに注目して分析を行うものである。これらの歴史は国によって大きく異なり、日本にとって学べることと学べないことがある。
福祉を担うのは誰か? 財源は税か、社会保険料か? 日本における望ましい制度改革のあり方を、安心と経済効率性を同時に考慮しながら提言する。
本書は、2010年9月に東洋経済新報社より刊行された『安心の社会保障改革』を電子書籍化したものです。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

格差研究で有名な橘木氏が書いた、各国の社会保障の歴史を振り返る本。参考文献の量を見て分かるように、緻密な文献考証を経たものであり、一読に値する。ドイツやイギリス、スウェーデン、アメリカ、そして日本と選んだ国も自分が期待していた通りであった。また、本書の優れた点は最後に社会保障を考える上での論点を整理しているところである。普遍的であるか選別的であるかの点や税か保険料であるべきかという点といった学問的なものから、政治的リーダーの存在や社会保障を支える学問や宗教の存在といった観点まで幅広く挙げられている。自分が最も印象に残ったところは、スウェーデンの社会保障制度(年金)の始まりは、アメリカへの大量の移民で残された高齢者に対する救済意識が国民の中で高まったことであるということである。示唆に富んだ美談である。いずれもう一回読みたい本である。

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2011年09月13日

Posted by ブクログ

スウェーデンとデンマークという2つの福祉国家にあっても、財源調達は前者が保険料方式で後者は税方式。後者が望ましいと考える。

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2011年05月07日

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