【感想・ネタバレ】満洲コンフィデンシャルのレビュー

あらすじ

幻の理想郷・満州国
大陸を舞台に繰り広げられる
ノンストップ特務冒険活劇!

昭和十五年、元士官候補生・湊春雄は大連港に到着した。憲兵を殴って海軍を追われ、満鉄調査部に飛ばされてきたのだ。
彼に与えられた秘密任務は、あの甘粕正彦を内偵することだった。
大連の町中で春雄を煙に巻いた謎の男・西風。新京に向かい疾走する〈あじあ号〉の車内に再び姿を現した大陸浪人は、春雄の運命を翻弄してゆく――。
幻の理想郷・満洲国を舞台に、鉄道、映画、阿片、諜報、革命運動など、華やかな夢と権謀術数が渦巻くノンストップ冒険特務活劇!

目次
開幕
第一話 夕陽と大陸浪人
第二話 恋と革命
第三話 皇帝の護衛者
第四話 夢の瓦礫
閉幕
参考資料一覧

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Posted by ブクログ

新美健『満洲コンフィデンシャル』徳間文庫。

久し振りに本当に面白い冒険小説を読んだ。船戸与一の『山猫の夏』、胡桃沢耕史『天山を越えて』と並ぶ、大傑作冒険小説である。冒険小説好きならば絶対に読むべき作品である。

何ということか、最後の最後に素晴らしい感動の場面が待ち受けていた。終盤で湊春雄の過去の真実が明らかになり、それだけでも感動したのに。感動で二度泣きした。そうか。そうだったのか。

湊春雄が主人公かと思って読み進めば、湊は物語の語り手に過ぎず、本当の主人公は西風だったようだ。これは船戸与一の『山猫の夏』の構造にも似ている。

『開幕』。時は現代。北陽座という名の古い映画館を営む館長の湊春雄とアルバイトの大庭日陽という女子大生が登場する。北陽座は時代の流れで、今まさに閉館しようとしていた。

本編に入り、時代は昭和15年に遡る。元士官候補生の22歳の湊春雄は不祥事で海軍を追われ、大連の満州鉄道調査部に入社する。しかし、直ぐに新京にある満州映画協会に向かい、甘粕正彦を内偵するよう密命が下される。

大連から満州へと向かうために駅へと向かう途中に湊は、西風という謎の大陸浪人に助けられる。新京行きの鉄道列車に乗り込んだ湊は車内で西風と再会する。その後、この西風という謎の男は湊の運命を翻弄していくのだ。

甘粕正彦、愛親覚羅溥儀、植芝盛平、李香蘭、川島芳子といった実在の人物が幻のような満州国での冒険物語に華を添える。

『閉幕』。再び現代。湊春雄の見た幻の正体……

本体価格820円
★★★★★

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2023年01月20日

Posted by ブクログ

この時代のいろいろ調べたりした中でフィクションでもよく作り込まれてて面白かった。
途中わかりづらいところもあったけど、バディもの好きだからより楽しめた。

0
2024年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和15年の満洲、満鉄調査部に赴任した青年に与えられた任務は満映の甘粕の不正の証拠か弱みを掴む事。

以下ネタバレです

面白かったか、つまらなかったかと問われると「面白かった」。
だけど書店で手に取った際に想像していた雰囲気とはかなり違ったので少し評価が低めです。
甘粕を追い込むために権謀術数を巡らせ追いつ追われつの手に汗握る謀略小説をイメージしていましたが、本書は満洲が舞台の当時の時代背景を映した青春冒険活劇でした。
勝手な私の思い込みなので書評を低めにするのは的はずれかもしれませんが。


甘粕正彦は当然ですが伊達順之助、尾崎秀実、植芝盛平、工藤忠、霍殿閣、李香蘭、川島芳子 と実在の人物が続々と登場します。
主人公?語り部?の湊春雄と掴み所のない大陸人の西風の約5年間の活躍譚が4話構成。

気軽にさっくり読める活劇小説でした。

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2023年03月08日

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