【感想・ネタバレ】今日のミトロジーのレビュー

あらすじ

羽生結弦に阿修羅を見出し、BTSに花郎(ファラン)との共通性をあぶり出す。オタマジャクシ型の楽器に、人間と自然の中間領域にある音楽の本質を見出し、ビル・ゲイツの離婚と資本主義精神の根源的な関係を解き明かす。宝塚歌劇団の大階段と巨大古墳に潜む「死と再生」の儀式とは何か? 人間の無意識にあって太古以来不変の動きをする神話的思考を現代の森羅万象に探る。47のエッセイが、この世界と人間の脳の未知の構造に触れる試みです。

【目次】
プロローグ


スケートボードのポエジー
ウルトラマンの正義
『野生の思考』を読むウルトラマン
オタマトーンの武勲
宇宙犬ライカ
ベイブvs.オリンピック
近代オリンピックの終焉
M氏の宇宙飛行
成長のミトロジー
惑星的マルクス

II
シティ・ポップの底力
氷上の阿修羅
神仙界の羽生結弦
音楽はどこからやってくるのか
花郎(ファラン)とBTS
古墳と宝塚歌劇団
聖なるポルノ
アンビエント
非人間性について
タトゥーの新時代

III
ミニチュアの哲学
乗り鉄の哲学
abc予想
低山歩き復活
第九と日本人
ウクライナの戦争
戦闘女子
『マトリックス』と仏教

IV
ポストヒューマンな天皇
フィリップ殿下
シャリヴァリの現在
家族の秘密
キラキラネームの孤独
愛のニルヴァーナ
「人食い(カンニバリズム)」の時代
『孤独のグルメ』の食べる瞑想
自利利他一元論


サスペンスと言う勿れ
怪談の夏
渋谷のハロウィン
鬼との戦い
丑年を開く
大穴持(オオナモチ)神の復活
気象予報士の時代
エコロジーの神話(1)
エコロジーの神話(2)
反抗的人間の現在

謝辞

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は、週刊現代に連載されたエッセイの中で、現代の日常に現れるミトロジー(神話的要素)を紹介しています。例えば、東京オリンピックのスケートボード競技での「ゴン攻め」などの新しいタイプの解説や、『進撃の巨人』における人肉を食する描写が取り上げられており、後者はレヴィ=ストロースの『われらみな食人種(カニバル)』へのオマージュとして示唆されています。

中沢新一さんの卓越した洞察力により、このようなミトロジーとの共鳴を見出すことは容易です。しかし、それが中沢新一さん独自の力技に過ぎないのか、それとも現代において本当に不可欠な作業なのか、という疑問が残ります。つまり、こうしたミトロジー的思考が、今の時代に必要とされているのか、あるいは中沢新一さんのスキルによるひとつの「作品」に過ぎないのか、その判断はまだ私にはつけられていません。

0
2024年08月14日

「雑学・エンタメ」ランキング