【感想・ネタバレ】対決!大学の教育力のレビュー

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Posted by ブクログ

『対決!大学の教育力』(友野伸一郎、2010年、朝日新書)

今日の日本において、大学はどのように受験生に選ばれているのであろうか。大学のブランド力や、難易度や立地などの条件で選ばれる一方で、本来ならば、「その拠って立つ基盤である教育力で選ばれる必要がある」と著者は言う。

ではその「教育力」は何か。どのような基準で教育力を測ればよいのか。
著者はこの基準として、「教養科目」と「初年次教育」で大学を見るべきだと主張し、「教養教育」と「初年次教育」の重要性を本書で説明している。

また、教養教育と初年次教育で特徴のある教育をしている大学学部の紹介がされているので、他大学のよいところを見つける上では意外な発見がありそうだ。

受験生が読む本というわけでもないだろうが、大学教育について、あるいは大学教育改革について興味がある方ならば、本書は参考となるだろう。

(2010年4月6日 大学院生)

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2010年04月06日

Posted by ブクログ

2010/3/14 メトロ書店御影クラッセ店にて購入
2010/3/20~3/23

河合塾の教育研究調査をもとに各大学の教養教育課程での取組みを徹底分析した内容。大学新入生の学力をいかに伸ばすか、で大学の実力を測るべき、という著者の主張はもっとも。大学教員の多くが研究に主眼を置いており、教育、特に教養課程に相当する教育をしたがらない、という現状分析もその通りであろう。また、そういった部分に力を入れても大学教員としては評価されにくいというところもその通りであろう。後半で「対価がなければ大学教員も働かない。それでは単位が取りやすい、という理由で楽勝講義を選ぶ学生と変わりない」というような指摘があったが、それもその通りであろう。
 内容はいちいちもっともである。が、すべての大学がリベラルアーツ志向になっても日本の知力の低下を招くだけではないか?研究はトップ10に入る大学に任せてあとは、そこへ院生を送り込む予備大学になるべき、という議論もあるが、それはまた違うような気がする。以前にも書いたが、やはり大学名などで大卒者や院卒者を迎え入れる企業の意識など社会全体を変えていかなければ、教養教育への取組みも変わらないのではないか。
いずれにせよ、こういった内容が世間的に広く議論されるのは非常に良いことだと思う。

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2010年03月23日

Posted by ブクログ

大学全入時代になり、各大学が生き残りをかけて自校の教育に工夫を進めているのが読みとれる。東大VS京大という図式だけでなく、地方の大学のユニークな教育方法が興味深い。そのなかで初年度教育に力を入れているということが挙げられる。PDCAのサイクルや、特にPBL(Problem/Project Based Learning)問題発見・解決型の学びを進めている大学が多いと云うことである。研究主体の大学から教育を母体に置いた方向へと転換しているのがわかる。これは、大学教育に限ったことではなくて、義務教育や高等教育、社会人教育もいえることだろう。学生が聴きたくなるような講義をつくる。能動的な取り組みになるような工夫をしているのが、とても興味深い。

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2010年05月29日

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