【感想・ネタバレ】ファン・ホーム ある家族の悲喜劇〈新装版〉のレビュー

あらすじ

『ニューヨークタイムズ』『タイム』など数々のメディアがその年のベストブックと絶賛! セクシャルマイノリティとして、文学を愛する者として、共感を覚えながらもすれちがい続けた父と娘。互いをつなぐ微かな糸を、繊細にして静謐な筆致でたどる、ある家族の喪失と再生の物語。

ペンシルベニア州の片田舎で葬儀屋を営む家庭の長女として育てられたアリソン。英語教師として働きながら自らの耽美的な世界にひきこもる父親とは、互いに関心を持たないまま冷淡な関係が続いていた。やがて大学生になり、自分がレズビアンであることを自覚しカミングアウトしたアリソンは、父もまた自分と同じ同性愛者であることを知る。その事実を知って数週間後、自殺とも言えるような事故によって父親が死んだ。 いったい私は、父の何を知っていたと言えるのだろう――?

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Posted by ブクログ

アリソン・ベクダルの自伝的グラフィックノベル。父と娘、父と家族、自分自身、何かがしっくり来ない日々を振り返る物語。ぐるぐると行ったり来たり、死や文学に言及しつつ、性的指向についてのもやもやしたものが家族関係に何を及ぼしたのかが探られる。

「自らの性について真実を隠して生きるのは、否定的な影響を蓄積していくことだ」という一文。隠さざるをえないことも、隠されていたということも、苦しいことだ。

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2023年03月29日

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