あらすじ
理工学では,たがいに関連のある数を縦横に並べた「行列」がひろく使われている.その中で最も簡単な場合であるベクトルからはじめて,親しみやすい連立1次方程式にハイライトをあてながら,行列・行列式・固有値といった重要な概念を徹底的にかみ砕いて解説.定評あるロングセラーの新装版.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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Posted by ブクログ
私達は世界、物事について
○○が何割、✕✕が何割…の合計という風に分解して見ることがあります。
そういう関係性をたくさん並べると
a1x+a2x+…+anx=y_1
b1x+b2x+…+bnx=y_2
…
のような一次連立方程式の集まりとしてみていることになります。このような多数の連立方程式の集まりを解いて解を求めるための方法論が線形代数ということになります。
理工系の物事を捉えるためにはまさしく基礎の基礎ですね。この本は高校数学からの接続がスムーズで本当に優しく解説してくれています。最後の方は色々な応用例を駆け足で紹介するような感じになっていて、なんのためにその変形をやっているのかわからなくなってきますが(このシリーズ全てにおいての特徴ですが)ここであまり立ち止まらずに、次の教科書へ進むのがいのかと思います。特に二次形式は、力学のケプラーの法則を理解するために、単振動の組み合わせが一般には楕円を描くという話を意識して書かれているように思えましたが、これは物理の教科書ではないので、そのへんの深堀は同シリーズの「力学」を行ったほうがよく、さらっとながして、そっちに一度寄ってみるのも得策かと思います。