【感想・ネタバレ】アナベル・アノマリーのレビュー

あらすじ

殺されたのはアナベルという名の少女。これで彼女は、通算十一度、殺されたことになる。少女禍――。超絶的なサイキック能力を持つ彼女の呪いは、死後なお、世界を覆う。「SFJapan」掲載の中篇「獣のヴィーナス」「魔女のピエタ」に、書下し新作「姉妹のカノン」「左腕のピルグリム」を加えた、連作SF長篇。伴名練氏激賞。

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Posted by ブクログ

世界を変容させる少女アナベルと、彼女を倒すために生み出された複合人格sixのサイキックバトル。
……が行われている世界で調査や後処理に駆り出される、捨て駒のような一般職員が主役で視点キャラクターの連作短編です。

何度も蘇るアナベルが巻き起こす超常の災害が、グロテスクで恐ろしいのにどこか鮮やかで美しさを感じてしまう。
むしろ彼女を生み出してしまった後も研究を続けて、生まれたサイキッカーを使い捨てにするようなジェイコブスという組織が恐ろしくなってしまうような……。

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2024年07月29日

Posted by ブクログ

天災や人災、わざわいは、人びとの生活におけるモノやメンタルを容赦なく打ち壊す。その修復や治癒は個人差はあれど時間と共に前進する。そこにアナロジーとして禁忌が流布される世界は萎縮へと向かい、人びとの思惑と逆行してしまう。この物語はアナベルに翻弄される集団ジェイコブスが管理するサイキック・氾雨天の能力 "過去の人の記憶に侵入する" 局面で高潮する。悔恨だけでは生きる気力を徐々に失っていくのだが、一縷の望み、そこに未来という道程を見付け出そうと懸命になる。逆行と前進、この相容れない時間の様態に引き込まれていく。すこぶる面白いよ。

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2024年03月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「獣のヴィーナス」★★★
「魔女のピエタ」★★
「姉妹のカノン」★★★
「左腕のピルグリム」★★★

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2024年03月29日

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