あらすじ
「今の職場、“ゆるい”んです」「ここにいても、成長できるのか」。そんな不安をこぼす若者たちがいる。2010年代後半から進んだ職場運営法改革により、日本企業の労働環境は「働きやすい」ものへと変わりつつある。しかし一方で、若手社員の離職率はむしろ上がっており、当の若者たちからは、不安の声が聞かれるようになった――。本書では、企業や日本社会が抱えるこの課題と解決策について、データと実例を示しながら解説する。
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Posted by ブクログ
若手社員をとりまく状況が変化したのは若者のせいというよりかは2015年の若者雇用促進法以降の法整備が日本の全会社に影響したことによって発生したもの、というのは今から振り返ってみると確かに…と実感するところがあった。
「ゆるい職場」化と引き換えに不条理さは減ったものの、「自主的に動いて大きく成長できる人」と「何もせず以前よりも成長できない人」の差が開きつつある(双方それぞれの不安は抱えているが)。
「不満」から「不安」への変化、新卒時点での新入社員のスキル差の拡大などもタイムリーな話だなと思う。自分もこの本で話題の範囲内に入るJTC大企業にいるけれど、本当に今の会社は昔より人を育成する体力が落ちている。マネジメントも今までとは違って「ローコストで外部引力も含めて部下を育成できる力」が求められているし、若手(プレイヤーも含めだが)は「会社を使って自律的にキャリアプランを立て、成長する力」を身につけることが大事になっている。(個人的にはギリギリ会社が若手を育てる体力があった最後の時代にある程度鍛えてもらえて良かったなという思いはある。ゼロから手探りで身につけるのほんとに大変だし…)
「ゆるい職場」のある社会以前に戻ることはない、という条件下では、無数の状況よりは少数でも行動することに利がある。いろいろ早いうちからキャリア形成のために動くことも大事になる。
いや、わかっちゃいるけどけっこう茨の道だよね。もうロールモデルいないよって言われてるようなもんだし。
でもその分一つの会社に縛られずとも生きる術がある社会になってきている。いろいろ模索しながらいい感じに生きていこう。