あらすじ
《あの路地を、あの場所を、もっと歩きたくなる。》
深掘りすると、そこには思わぬ発見が待ち受けていた!
一度ハマったら抜けられない魅惑の大都市を探索する。
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K-POP、ファッション、コスメ、美容、グルメ、ミュージカルなどなど、若者から中高年までさまざまな楽しみ方がある韓国の首都。
──しかし、ソウルの魅力はそれだけではない。
さらに足を踏み込めば、まだ見ぬ深い世界が待ち受けている。
知られざる地下世界や絶景の屋上スポット、まちなかに点在する磨崖仏や銅像の秘密、渋い喫茶店や活気あふれる外国人タウン……。
韓国と出会って25年、ソウルを愛し、路地を隅々まで知り尽くした“まち歩きの達人”が案内する、教科書や旅行ガイドでは教えてくれない、一歩先行くソウルの旅。
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【本書で取り上げたまちなかスポット】
レトロな喫茶店 / 渋いビルディング / 謎の地下空間 / まちの高低差 / 日本の年号 / 城壁と石垣 / 外国人タウン / オリンピックの遺産 / 朝鮮戦争の傷跡 / 磨崖仏 / 暗渠 / 屋上 / 銅像……etc.
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【目次】
■はじめに
■1………渋い喫茶店
■2………渋いビルを愛でる
■3………秘密の施設
■4………市内で出会う磨崖仏
■5………暗渠にときめく
■6………市内に残る朝鮮戦争の傷跡
■7………おとなのまち歩きポイント
■8………屋上で会いましょう
■9………こんなところにこんなものが
■10……銅像が教えてくれる歴史
■11……オリンピックを感じるまち歩き
■12……残された日本の年号
■13……意外な凹凸を体感する
■14……漢陽都城の痕跡と石垣を巡る
■15……住宅をいろいろ楽しむ
■16……ソウルの外国人タウン
■おわりに
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
手触りも,装丁,カバーの写真の刷り色もよい。
韓国ソウルの旅本、旅行ガイドを探していたら,本書が出てきて,つい買ってしまった。
かなりマニアックな社会見学というか,街歩き、本書で著書に教えていただいた言葉だと、タプサ踏査の記録とガイド。
最寄駅名や出口など書いてある物件や場所もあり、ほんとに著書の方と同じくらい熱い気持ちの方はこれを片手に歩いて確認新たな発見もあるだろう。
私はそこまでマニアックにはできないけど。そもそもソウルの歴史,街の名前の変遷、近現代史における日本以外の外国人や外国とのかかわりなど色々知らないことがあり、磨崖仏がソウルにもあること,とはいえそれなりの急斜面登るなど、なかなか韓国ソウル初心者としては行きたい知りたいと思うことたくさん。
コツコツと調査、タプサされつ、町の姿形,人々の営みの形跡を愛する気持ちが滲み出る作品。
江南ブルース(だったかな?)などでソウル郊外の田舎が大都会に変わる様を観ていたので、さらに想像力高まるところもあり、暗渠のところなど、読むと、半地下のパラサイトや最近の大雨洪水のことなど、日本とは違う事情で治水や住宅問題に課題や、そもそも政府などの不足があり,資本主義国家の暮らしの痛いところはどこも同じ、あとは天候地形などでかろうじてラッキーだったりもする程度でどこもここも大差ないなと思った、
楽しい街歩きばかりではなく、頻繁にあらわれるのは日本による植民地の歴史その時に失われたもの、や、今も昔もある貧困問題。日本統治時代を否応なく今も思い出させる大正や昭和の年号が残っていたり削り取られたりしていること、景福宮などに対して日本が行った破壊,改変の数々。貧しい人を移住移動させたり川を埋め暗渠の上になにかを建てたり壊したり。意外と戦前の古い建物も残って今も使用されている驚きと昔のビルの美しさ。
白黒で地味な写真たち,少し大きな声でつぶやくような著者の言葉に触れながら、しかと他人事とはしないよう深く考えながらこの著書のように自分もソウル(買い物,食べ物でタプサ余裕ないでしょと思うけど)少し楽しくしかし思慮深くタプサできたら、この著書の方の足元には及ばないけど,小さな暮らしのしるし軌跡を見つけ共感する気持ち、そしてそれを無くさないように、せめて記録や記憶に留めておけたら良いなあと思う。
土地の記憶都市の記憶、それを記録することの大切さ。地道な努力への感謝。