【感想・ネタバレ】うらおもて人生録(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

人に関する興味を根底に、すべての人がうまく共存ができるようにしていくためには、つまり劣等生も優等生も含めて「どう生きるか」ということを実体験から描いている。

キーワードとしては、フォームを持ち、つねに勝ちすぎず、負けすぎず、これを貿易という形で続ける。連勝も連敗も通常ではないし、また勝ち方も器量的な勝ち方か、負け方も怪我をしすぎないものか。

また、新しい場所での溶け込み方も指摘がある。まずは、白紙状態でいき、うまく弱点を笑いに使う。そうすることで場に馴染む。

ある程度のレベルにいくと、能力に差はないので、いかに先を制するか、相手にミスをさせるか、の世界に突入するので、運の使いどころなどを意識する必要がある。実力とはあくまでも負けないためにある。

随所で述べているが、人生はマラソンであり、常の勝ち負けではどのポイントの勝ち負けなのか分からない。そういったところからも自分を客観的に認識する、ということも必要。

自分も含めて人に興味がないとなかなかむずかしいが、これは案外に思考の切り替えであり、現状に良い具合に満足すること。そうすると、冷静になれるのではないか。

筆者の戦争体験がはさまってのことであるため、むずかしいかもしれないが、代替品としてはそのようなところだろう。

度量や迫力をきっと感じるであろう、ということが文章伝いに伝わってくる。

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2018年05月04日

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