あらすじ
母の死を契機に、これまで黙して語らなかった「母」との複雑な関係を描き切る。「二度死んだ」母とは?「母」をめぐる旅の果てには?静謐な筆致の中の圧倒的迫力に、作家の覚悟が漂う感動作。
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Posted by ブクログ
生まれる前に父を腸チフスで失った著者は、祖父村松梢風の五男として引き取られ、物心つく頃には、父母共に死んだと言われるがままに思い込み、祖母に育てられていく。しかし母は生きていた。 梢風周囲の女達の、幼少時から大学生となっていく過程の著者に対するその時々の接し方に、それぞれの梢風への強い愛憎が反映されています。本の最後に引用される実の母の手記により、梢風周囲の女達と実の母との違いが強調されます。その違いはご本人達の資質の違いでもあったでしょうし、著者や梢風との関係性の違いでもあったのだろうなと思いました。