あらすじ
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「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ!」
これは、アランの『幸福論』に出てくる有名な言葉です。
このように、哲学者たちは私たちをハッとさせるような言葉や考えを残しています。
●哲学者76人の思想をもとに
日常生活から人生、抽象的概念までを哲学する。
「哲学」とは、
頭をすごく使うこと、頭がいい人がすることなど、
高尚なイメージを持たれている人も多いかもしれません。
しかし、そんなことは決してありません。
「愛とは何か」
「死とは何か」
「正義とは何か」
「世界とは何か」
「性とは何か」
など、
疑問に思うことを
「なんだろう?」と自分なりに考えてみたらいいのです。
では、哲学すると、どんな良いことがあるのでしょうか?
哲学することで悩みや問題が解決します。
悩みや問題がなくなれば、世界がより良くなったと言っていいでしょう。
だから、わざわざ考えるわけです。
考えても苦しいだけなら、誰もしません。
しかし、哲学の場合は答えが出るのです。
しかも世界を良くする答えが――。
生活の中の些細なことから、
・政治の話
・宇宙の話
・科学の話
何についてでも考えることができます。
本書でも、
まさに暮らしの中のテーマから政治や宇宙、
科学の話まで、実にバラエティに富んだテーマ、
つまり身の回りの話題を哲学しています。
各テーマにおいて、
哲学者(時には科学者)の考えと著者の考えを紹介していますので、
本書を読みながら「自分ならどう考えるだろう」ということを
意識して言語化してみてください。
それがすでに哲学なのです。
■テーマ
遊び/顔/趣味/お金/睡眠/正義/政治/戦争/LGBTQ+
ポスト資本主義/AI/インターネット/SNS/宇宙/バイオテクノロジー
パンデミック/震災/気候変動/原子力発電所の事故/事故/幸福
仕事/家族/死/宗教/自由/愛/悪/時間/世界
■目次
●第1章 日常生活を哲学する
・1-1 遊び
ヨハン・ホイジンガ/エリック・ホッファー/フリードリヒ・ニーチェ/ロジェ・カイヨワ
・1-2 顔
和辻哲郎/デボラ・L・ロード/エマニュエル・レヴィナス
・1-3 趣味
三木清/和辻哲郎/バートランド・ラッセル
・1-4 お金
ジョン・ロック/カール・マルクス/ゲオルク・ジンメル/ジャン=ポール・サルトル
・1-5 睡眠
アリストテレス/カール・ヒルティ/ジークムント・フロイト
●第2章 社会を哲学する
●第3章 テクノロジーを哲学する
●第4章 災害を哲学する
●第5章 人生を哲学する
●第6章 抽象的概念を哲学する
■著者 小川仁志(おがわ・ひとし)
哲学者 山口大学国際総合科学部教授 博士(人間文化)
1970年、京都生まれ。
京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。
専門は公共哲学。
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Posted by ブクログ
日常で見聞きする言葉や事柄が哲学のテーマになっていましたが、何でも哲学的に考えられることに驚きました。まさに「哲学、おそるべし」という感じでした。
疑って、視点を変えて、再構成する。そして、その結果を言葉で表現する。これが、哲学の仕方だということが分かりました。
【学んだこと】
●ソクラテスの問答法・・・問いを投げかけることで、相手の口から真理を導き出すための対話法。(疑うための方法)
●ヘーゲルの弁証法・・・問題を切り捨てるのではなく、むしろ取り込むことで事柄を発展させようとする論理。(再構成するための方法)
●あらゆる哲学概念が、疑う、視点を変える、再構成するのいずれかに分類することが可能である。
●哲学をする際、できるだけ多くの哲学概念を知っていると、その分、より効果的に考えることができる。これはスポーツやゲームでルールや技をたくさん知っているほうが有利だったり、楽しめるのと同じである。哲学概念と言うとなんだか大げさに聞こえるが、それは思考のための技やツールにすぎない。
●人間が戦うのは本能であり、国家は戦争をするものであるからこそ、法によってその行為を縛り、平和を実現すべきである。(イマヌエル・カント)
●政治とは利害関係の調整である。人間は、それぞれ異なる存在なので、やりたいことも違うし、必要なものも違う。問題は、それでも他者と一緒にやっていかなければならないこと。言い換えると、限られた資源をみんなが納得いくように分け与えていかないといけないということ。
●利害関係の調整の際に理想とされたのが、中庸という徳。誰もが行きすぎないようにほどほどを心がけるということ。我を通すとぶつかるから、互いに譲り合う気持ちが求められる。それがアリストテレスの言うフィリア、つまり友愛の精神である。
Posted by ブクログ
まだ冒頭とAIの箇所しか読めていないので、自分用のメモとして。
・哲学とは何か。疑って視点を変えて再構築する、そしてその考えを言葉にすること。端的で納得感があった。特に言語化は哲学の非常に重要な側面かと思う。名前のないもの、言葉にされていないものは存在していないことと同じ。概念には自由や正義など様々あるが、その言葉がなければそれが実現することもなかったと思う。
・AIと人間。AIは情報処理能力に加え、創造的分野においても人間を凌駕する存在になり得ると思う。では人間の価値は?AIと異なる点は心の存在だという。一元論的な考え方では、心も物理的な存在であり、そうである限り行き着く先は科学力による心の再現。対して二元論的立場から人間の心は非物理的な特別な存在であると主張するマルクスガブリエル(要検討)。もっと勉強しないとよく分からんけど、個人的には、後者について人間の都合のいい願望が混じっているような印象を受けた。AI専門家の見地から冷静に未来を予測する本も合わせて読みたい。