あらすじ
五・一五事件の青年将校を「赤穂義士」になぞらえて世間は称賛した! 軍部とマスコミに先導された 大衆世論 の変遷から戦争への道筋を読み解く、最新研究に基づく刺激的な論考。ウクライナ戦争、米中対立など国際情勢が緊迫化する今こそ読まれるべき一冊!
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Posted by ブクログ
本書は、「昭和戦前の日本の政治・社会の基底には極めて強い大衆社会化の圧力があり、それは多くの事件に見られたのであった」(「はじめに」より)が、これまで十分にそれらが検討されてきたとはいいがたいことから、正確な実証的成果に基づいた大衆世論からみた昭和史を、14章のテーマに沿って見ていこうとするものである。
全体として、新聞・マスコミ報道によって大衆世論が作り上げられていき、それが大きな同調圧力となって軍部の台頭を招き、政策決定にも影響を与えていったことが解き明かされる。
各章で取り上げられている事件や出来事はそれなりに知ってはいたが、それぞれかなり詳細、具体的な事実を基にしながら、大筋の流れがまとめられていて、頭を良く整理することができた。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 「軍縮期」の軍人と世論
第2章 普通選挙と政党政治
第3章 無産政党の台頭と挫折
第4章 ロンドン条約・統帥権干犯問題
第5章 満州事変
第6章 血盟団事件、五・一五事件
第7章 国際連合脱退
第8章 帝人事件
第9章 二・二六事件
第10章 日中戦争~勃発と拡大
第11章 三国同盟・ヒトラーと日本世論
第12章 近衛新体制と大政翼賛会
第13章 日中戦争をめぐる反英米論の展開
第14章 日米交渉と開戦
<内容>
昭和史を筒井教授グループが、ちくまから朝日新聞へと移ってきた感じ。ちくまと内容にそう差はないように思うが、日中戦争などは、論というよりも事実を重ねた感じでした。