あらすじ
無実の罪で国を追われた王太子・サミュエルの妃だったヴァネッサは、田舎に逃れて男を装い、小説を書いていた。その内容はサミュエルを主人公にした復讐譚。物語は、主人公が王太子に復権し国王にまでのぼり詰め、いよいよ最終章となる恋愛編へ突入。だが恋愛のわからないヴァネッサは続きが書けない。そこへ突如サミュエルが現れて!? 「君の望み通り、この国の王になったんだよ」なぜか彼に執着されて、恋愛編の続きを実践することになり…?
※こちらの作品は通常版とサイン版がございます。本編の内容は同一ですので重複購入にご注意ください。
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作者様買いです
ヒロインの設定がまず面白い!情に厚く、流されやすく、調子に乗りやすい、でも腹を括るととってもカッコいい。優しくて、頭が良くて、周りの人に笑っていてほしくて…夫のみならず、妻まで持つ身に。その流れが、自身も過酷な運命を課せられるヒロインなのに、軽やかなのです。妻の献身や夫の執着も、状況や心情が丁寧に伝わってきて、思わず涙が出る場面もありました。
夫(ヒーロー)は愛が深く、とても優秀で、実力のある人です。ヒロインの小説を完璧に実現できてしまうほどに。その苦労をヒロインがきちんと理解して、愛を返す覚悟を決めていくところもいいのです。
夫もカッコいいです(何しろ小説の主人公のままの波瀾万丈を乗り越える美男なので!)、でも、見た目にコンプレックスを持っていたり、小説の締め切りに追われたり、覚悟を決めたことの中にも罪悪感を持ってしまったりする、思いやり深いヒロインがさらに可愛くてかっこよくて、素敵なお話でした。
読みながら、あぁこういうことだったのかぁとわかるストーリーの進みも気持ちいいです。