あらすじ
社会人二年目、丸印出版の企画営業部(雑誌広告担当)に勤める西富(ルビ:にしとみ)みのりは、
ノルマに追われる日々を送っていた。
休日の外回り中、雨宿りのために偶然立ち寄った湘南の青果店『フジミ青果』で、
みのりは〈野菜嫌い〉の店主・亮二(ルビ:りょうじ)と出会う。
その店は、一見ごく普通の青果店だが、
実は野菜も果物も売っていない「青果のコンフィチュール」専門店だった。
試食をさせてもらったみのりは、そのおいしさに感動すると同時に、
このお店をぜひ、自分の担当するグルメ雑誌で紹介したいと強く思う。
そんな話を切り出したみのりに、それまでの優しそうな表情を一変させた亮二は「帰れ!」と一喝するのだが――。
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Posted by ブクログ
営業って大変だなぁ。読んでるだけでしんど、てなる。前半の思いっきり空回りしてるところなんて特に。
でもみのりちゃんとても素直な性格なので、変わり始めたらとても早かった。
梅と蜂蜜バナナが食べてみたいな。
朝日町くんは、亮二と出会って変わったみのりちゃんに惚れてるので、どうがんばっても無理筋…。
Posted by ブクログ
何度断られても諦めないのが、みのりである。
自分だったらあれだけコテンパンにされれば諦めるし、何だったら仕事自体を辞めてると思う。
彼女も強い志を持って今の職業に就いた訳ではないから、心折れていつ辞めてもおかしくはなかったはず。
それに、すぱっと辞めた方が、彼との付き合いという面では面倒ごとにはならなかった。
彼女の仕事が足かせになって、何度好感度上げては絶交に近い形で別れる羽目を見せつけられたことか。
それでも、仕事もフジミ青果も諦めないのが、みのりである。
それだけフジミ青果の彼が作るコンフィチュールに惚れ込んだからか。
みのりの仕事で行き詰った状況から、コンフィチュールに出合い、自分の仕事を見つめ直し成長していく物語。
これまでのことを振り返って反省し、取引相手にも誠意を持って謝罪できる彼女はいい子である。
それでいて、何度も書いた通り諦めも悪いから、前へ進もうとする力も強い。
自分を見つめ直したあとのみのりは、仕事にも今までとは違った思いで取り組めるようになってよかったと思う。
彼女を変える要因となった亮二さん。
正体に関しては中盤くらいから「もしかして」と思うようになるが、やっぱりかという。
そりゃ彼女にああいう態度になっても仕方ないかなとは思う。
ただ彼の言う正論が、読んでいるこちらにも容赦なく刺さるのでしんどいときもあった。
分かってるんだけども、そこまで言わなくてもという。
そんな彼が最終的にはみのりに振り回されている感じになったのは、ある意味すかっとできてよかった。
WEB公開の番外編含めて、ああ当て馬ですねと某キャラには同情したが。
うん、勝ち目はなさそうだよ……