あらすじ
新型コロナウイルスの飛沫飛散シミュレーションでも広く知られ、スパコン性能ランキングで世界一を4期連続で獲得した「富岳」。
感染症のみならず創薬や気象・気候変動への対応、災害や流通など、複雑化する諸問題解決のカギを握る次世代スパコンは、いかにして生まれたのか?
中国やアメリカに一歩先んじて開発を成功に導いた「富岳」のリーダー松岡聡さんが、アメリカの宇宙開発計画に学んだ開発秘話、GAFAなき日本の世界での闘い方、社会インフラとして「使ってナンボ」のスパコンと未来予想図を語り尽くした比類なき一冊。
ガラパゴス日本の闘い方のヒントがここにある――。
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Posted by ブクログ
スパコン研究開発はIT技術革新や情報産業のトレンドを生み出す基盤インフラであることがわかった。
TSUBAMEなどの研究開発を通して得た知見を活かして、対省力化性能においても海外研究機関や企業の一歩先をいくだけでなく、ソフトウェア稼働を主眼におくまさに「使ってなんぼ」のモットーが素晴らしい。
技術革新のさらなるスピード化が求められる現代社会において、日本を牽引する研究者の気概と責任感が伝わった。今後、富岳を通して実用性のある価値の社会実装がどんどん進んで欲しいと思う。
また、原体験として語られた松岡先生の少年期のエピソードが、夢中になりワクワクする事の大事さを改めて語りかけてくれる。IT技術者として自分を少し見つめ直す時間を与えてくれた。