あらすじ
●この30年で平均所得は100万円下落……なぜ賃金は上がらない? ●理由は国民が平等に貧しくなる「未熟な資本主義」にあった! ●元IMFエコノミストがデータで示す「日本の歪みと処方箋」 物価の高騰、賃金の低迷が続く日本経済。未曾有の物価高にもかかわらず、賃金が「ほぼ横ばい」という異常事態。日本の平均賃金は韓国にも追い抜かされ、同時に歴史的な円安も進行している。かつてIMF(国際通貨基金)に勤め、現在は東京都立大学教授の著者は、「日本経済停滞の要因は、日本特有の構造、いうなれば“未熟な資本主義”にある」と喝破し、そのためには物価と賃金、さらにはそれらの土台となる「企業経営=労働・雇用のメカニズム」を知る必要があると説く。各種国際統計・データから、日本の経済構造の歪みを徹底分析し、日本再生の処方箋を示す1冊。
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Posted by ブクログ
競争不足=経済環境のぬるま湯化。
労働生産性を高める。
物価の動きは、CPI、CGPI(企業物価指数)、GDPデフレーターなどで見る。
新型コロナとウクライナ危機でデフレ経済から脱却した。さらにグリーンフレーションで物価が上昇。
ビッグマック指数=『エコノミスト』が年2回発表している。
為替レートは、原因ではなく結果。
日本は実質賃金と名目賃金は差がない。賃金を決める要素は労働需給、生産性、雇用者の構成、インフレ率。
賃金版フィリップ曲線=賃金成長率と失業率の関係。=ほぼフラット化している=労働需給では賃金は変わらない。非正規労働が増えると平均賃金は上がらない。インフレになると賃金は上がりやすい。
労働生産性が上がらない理由=日本型雇用にある。サービス業の労働生産性が低い。労働生産性=付加価値/労働投入量。価値を値段に反映させられていない。
企業が人に教育訓練費をつかわない。リカレント教育が少ない。デジタル化が遅れている。サービス業では資本の代替性が低いがデジタル化で高めることは可能。
企業の内部留保が大きい=教育、設備投資にお金を使っていない。
生え抜き社員の割合は減りつつある。金融保険が高く、医療福祉が低い。後払い賃金仮説。企業ごとの労働組合は交渉力が弱い。長期雇用を前提とした社員教育。
雇用は生産の派生需要である=生産がなければ雇用は生まれない。
アメリカでは生涯で11回の転職、その半分は18~24歳の若いころに行われる。
ジョブ型では社内でスキルアップしにくい。転職を伴う。近年では日本も4割が転職を前提に就活を行う。
労働組合は雇用の維持を優先して賃上げを是認してきた。
日本の経営者は内部昇格が多い。他企業での経営の経験なし、が82%。
アメリカではインターンシップなしで採用されることはない。
労働者の移動を支えるサービスも充実している。
社外学習、自己啓発を行っていない人の割合は46%。(パーソナル総合研究所「APAC就業実態・成長意識調査2019)
MOOCで世界の学習ができる。