【感想・ネタバレ】男がつらい! - 資本主義社会の「弱者男性」論 -のレビュー

あらすじ

冴えない、裕福でもない、特別な才能もない
平凡な人生を幸福に生きていく――

男たちの新しい生き方のモデルを提示する意欲作
“男らしさの呪縛”から解放されよう!

現在の男性たちには、案外、低く鈍く冴えない人生を幸福に生きていくというモデルがあまりないのではないか?
極端にマッチョな「男らしさ」だったり、家父長制度的な意味での父親像だったり、自己啓発的に勝ち抜けるような男性像だったり、
リベラルでスマートすぎる男性像だったり……
そのような「男」の人生のモデルはあるけれども、それ以外にもいろんな選択肢や「物語」があってもいい。

「ぼくたちもだらだら、まったり楽しんでいい!」


【内容[一部]】
●多数派男性の中の「弱者」たち
●「男性特権」が糾弾される
●男性たちはなぜ不幸なのか
●被害者意識のダークサイドに堕ちないために
●統計にみる日本の男女格差
●男たちのタテマエ、ホンネ、本心
●「すみっコ」としてのおじさんたち
●男たちにもセルフケアが必要だ など


【著者プロフィール】
杉田俊介(すぎた・しゅんすけ)
1975年生まれ。批評家。
自らのフリーター経験をもとに『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院)を刊行するなど、ロスジェネ論壇に関わった。
ほかの著書に、『非モテの品格――男にとって「弱さ」とは何か』(集英社)、『宮崎駿論』(NHK出版)など。
「対抗言論」編集委員、「すばるクリティーク賞」選考委員も務める。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

インセルの気がある自分としては救いになる箇所もあれば絶望になる箇所もあった。
インセルの息苦しさを、そのまま誰を攻撃することなく吐き出して良いという救いと、現状を耐え忍ぶ他ないという絶望を、両方を矛盾させながら行き来すること。

1
2022年10月31日

Posted by ブクログ

自分の感じている辛さについて考えながら読んだ。自分にとって大切なことが書いてある気がした。この本の著者の他の本も読んでみようと思った。

0
2025年04月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

チェーホフの話がよかった。男だけじゃなくて。なんかこれで行くしかないんだみたいな感じで死ぬまで生きていく。凄い。シスターフッドも僥倖だしねえ。なんか見事。

0
2024年05月30日

Posted by ブクログ

また杉田俊介氏の本を読んだ。『男がつらい!――資本主義社会の「弱者男性」論』は、いわゆる「弱者男性」がこの社会でどう生きていけばいいのかを構造的に、丁寧に紐解く一冊だ。
女性が「こうあるべき」というジェンダーロールから解放されることがエンパワメントにつながってきたように、フィクションでもその外れ方が勇気を与えてきた。
一方で杉田氏が指摘するように、男性の生き方のモデルは案外限られている。企業戦士、家父長的な父親、リベラルなイクメンや起業家――そうしたモデルに馴染めない人は、旧来の「男らしさ」が居心地悪くても、孤立感や構造的な条件からリベラルになれないことが多い。では、そういう男性はどう生きるべきか。
女性や性的マイノリティへの加害をせず、冴えない自分の人生をこの資本主義社会の中でどう手の中に収めていくかを、本書は静かに示してくれる。私は誰もが呼吸しやすい社会になってほしいと思っている。
自分を「弱者男性」と自認する人にも読んでほしいし、彼らと対立したくない。どうか自分自身や他者を傷つける言動はせず、まず自分の人生を否定や過剰に褒め称えるのではなく、静かに受け止められればいいと思う

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

つらいと感じるけれどつらいと言う先がない、どうしたらいいのか分からない、という状況のときに読んだ本
関連する書籍や映画が紹介されているので自分なりに調べる先を教えてくれました
その後『ジョーカー』をみたら、おそらくそれまでは気づくことのできなかったずっしりとした重圧のようなものを感じました

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2024年04月02日

Posted by ブクログ

学術的な内容を期待して読み始め、最初のほうは「うんうん」と頷きながら読んでいましたが、だんだん「?」になってきて、あとがきに「エッセイ」とあってズッコケてしまいました。まあ、自分が勝手に期待して読んだだけなので、杉田さんが悪いわけではありませんが・・・。
杉田さんの男性問題三部作のうちの、既刊の2部を読んでみる必要はあるかもと思いました。

自分は中年独身男性なので身につまされつつも、結婚には向いてないと気づいてもう生涯未婚かなと腹をくくり始めているので、開き直りつつ、でも女性に不快感を与えないように清潔感のあるおっさんを目指そうと思っています。嫌われたくはないけど、好かれる必要もないので、空気のような目立たない存在を目指そうと思ったのでした。

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2022年11月23日

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