【感想・ネタバレ】教養としての上級語彙2―日本語を豊かにするための270語―(新潮選書)のレビュー

あらすじ

「暗暗裏」「将来する」「櫛比」「揣摩臆測」……メディアで大活躍の評論家が、表現力と思考力を高める言葉を厳選。言語の「幼児化」が敗戦後の国語改革に起因することを明らかにし、「漢字制限」と「ルビ規制」という二重の拘束から日本語を解き放つことを提言する。洗練された言葉使いが身につくスーパー語彙本、第2弾。

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Posted by ブクログ

前作は随分堪能したものだけど、早くも続編登場。これは読まない手はない。当然、評判も良かったってことでしょう。そこで改めて前作のレビューを見直してみたんだけど、ピックアップした語彙のうち、モノに出来たものの少ないこと。一度読むだけでなく、折に触れ確認しないといけないな、と改めて痛感。で、本作からも当然気になる語彙はてんこ盛りで、後学のため下記に抜き書き。

分限者(ぶんげん):裕福な者 衒気:ひけらかしたい気分 むきつけ:無遠慮 暗々裏:秘密裏 徴する:照合する 将来する:状況や結果をもたらす 相即不離:切っても切れない関係 矯める:悪習などを改め直す(角を矯めて牛を殺す) 唱道:率先して唱え導く 月旦(げったん):人物評 仔細らしい:意味ありげに 言詮:言葉による説明 敷衍:言説の趣旨を噛み砕き説く 継起:引き続いて事が起こる 具眼/活眼/炯眼:真偽を見分ける眼力 満腔:満身 暮夜:夜になったとき 泥む(なずむ):こだわる 熟字訓:例えば梅雨を「つゆ」 鬼籍:過去帳、点鬼簿 〜に入(い)る=泉下の客と成る 櫛比(しっぴ):櫛の歯のように隙間なく 放恣(ほうし):わがままで怠惰 木鐸:世の人を教導する者 暁闇:暗い夜明け前 片言隻句=一言半句:ほんの短い台詞 夜気(やき) 凝然:じっと動かない 弾指:指を弾くほどの短い時間 虞(おそれ):虞犯少年(罪を犯す虞)の虞 須臾:僅かの時間 倉皇:慌ただしいさま 荏苒(じんぜん):延び延びになるさま 揣摩憶測(しま〜):当て推量 斉一:皆、一様 冗長性:余分や多重性を持たす(というポジティブな意) 狂瀾を既倒に廻らす(きょうらん/きとう/めぐ):崩れかかった状況を元に戻す 矯激:並外れて激烈 閑却:等閑(なおざり=いい加減)にする 御座なり:当座を取り繕う 没却:無にする 蹉跌:つまづく 澎湃(ほうはい):盛んに湧き起こるさま 通弊:通有する/通性としての、弊害 向背:動静 明らめる:はっきりさせる 妙齢:若い女性の年齢 棹さす:動向を助長する 晦渋:難解 〜を突いて:〜ものかは:〜物ともせず 阿諛:へつらう 従容:焦らず悠々 習い性(せい)と成る:習慣が、天性となる 身過ぎ:生業 庶幾:乞い願う 擱筆(かくひつ):筆を擱く(おく)

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2024年09月13日

Posted by ブクログ

通常あまり使わない言葉を集め、例文でその使い方を指南する面白い本だが、ほとんどの語句の意味は分かった.何度も強調していたが、敗戦時の国語改革として常用漢字を作り、ルビを廃止したことは、本当に思慮のない世策だった.障害者に害という文字があるため、障がい者を書くようになったが、もともと障碍者と書いていた.碍は、さまたげる、さしつかえる、さえぎる と言う意味があり、「病や怪我などが、自在に何かをなそうとするのをさまたげている」 という意味になる.障碍者という書き方を復活させるべきだ.ほんとにそう思う.憤ろしい(いきどおろしい)、恣にする(ほしいままにする)など、かなり難しい語句もあったが復習して使えるようになりたい.

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2025年03月03日

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