あらすじ
この恋は、地獄につながっている――。
女はなぜ、男のために火付けをし、火あぶりになったのか(「八百屋お七」)。
女はなぜ、道ならぬ恋におぼれ、自ら鉋(かんな)で胸を突いたのか(「樽屋おせん」)。
女はなぜ、ふしだらな下男と駆け落ちし、心を喪ったのか(「お夏清十郎」)。
江戸時代の人々の注目の的になった恋の事件の裏には、
悲しい“まこと”と、優しい“ほら”があった――
心中、駆け落ち、不義密通。
江戸のスキャンダルをまとめた井原西鶴の代表作『好色五人女』を大胆に新解釈した、胸に刺さる悲恋時代小説。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
前の作品の「高天原」もとても面白かったです。
今回は井原西鶴の「好色五人女」をオマージュした作品です。
「真実は小説より奇なり」と言いますが、本当はこんな裏話があったりして?本当はこんな話だったんだよ。
なんて、噂好きな巷の人々の声が聞こえてきそうな、物語です。
そして、恋に身を焦がす女性がいきいきと、描かれているところが好きです。
綺麗事ばかりじゃなくて、嫉妬だったり、思い違いだったり…。悲しいけれど、何故か優しさを感じます。
これは、じっくり読んで頂きたい、大人の小説です。
この作品を読んで、周防柳さんがますます好きになりました