あらすじ
函館で有名な岩倉家の美人三姉妹。その三女が行方不明になった。海岸で見つかった遺留品のそばに落ちていたのは、血糊のついた鷹のブロンズ像。凶器と思われたこの置き物は、姉妹の家に飾られていた物だったのだが……。手がかりが得られないまま事件は新たな展開を見せ、捜査は更に行き詰まってしまう。驚愕の結末を迎える、本格ミステリの傑作!
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Posted by ブクログ
本格推理で、地道に足で考えている警部補に感情移入しつつ読み込んでいたが、最後に名探偵ジャンにおいしいとこ取りされたような感じ。捜査本部が、一少年を招いての解説のシーン、無理を感じる。男と女の「血」というか怨念の違いが恐ろしい。
函館在住者として、函館シリーズ3作(立待岬・葛登支岬・潮首岬)で、これだけ「潮首岬」に変更。また作品中の地名も皆実在地名なのに、「潮首」→「汐首」の実名でもいいのにとおもう。逆に、地元名士に岩船家が有り気になる。フィクションはわかるけど、これこそかけ離れた一族の名にすべきだったのではないか。
Posted by ブクログ
函館を舞台にした名家の美人三姉妹の連続殺人事件を追う舟見警部補と山形警部のコンビ捜査に、探偵役ジャン・ピエール少年の鋭い頭脳が冴える。
芭蕉の俳句の見立て殺人は『獄門島』を連想させるが、全体の雰囲気は現代のサスペンスドラマ調で良く言えば安心できる懐かしさ。
ラストの真犯人の動機の吐露が凄まじかったなぁ。そこだけ激しくて悲痛でドロドロで本家横溝ミステリーに勝るとも劣らない女の血の業がひしひしと刺さる。愛と憎しみは表裏一体、郭公は罪深い…。
男と女の「生存の基盤」の永遠のかけ違いを明確に思い知らされた結末だった。
Posted by ブクログ
俳句の見立てで殺されていく美人三姉妹というプロットは誰が見ても「獄門島」。もっとも横溝流のケレンとは無縁で、警官たちの足を使った地道な捜査が延々と、社会派風に描かれる。それ自体は新本格以前から本格推理をがんばってきた作家さんにありがちな作風なので、そういうものなのだが、描写が淡々とし過ぎていて勘所が掴みにくい。例えば、三つの殺人は実は凝ったトリックによる、一種の不可能犯罪なのだが、それがよく伝わらない。だから快刀乱麻を断つ、ジャン・ピエール少年の謎解きも、読者の方ががんばって驚いてあげないといけないような感じもあって、なんとももったいない気がする。