あらすじ
長寿社会の「闇」を抉る、衝撃のルポルタージュ!
ベストセラー『後妻業』の直木賞作家
黒川博行氏との対談を文庫特別収録!
65歳以上の高齢者人口が約3600万人、総人口の28.7%を占める日本は世界一の超高齢社会にある。
高齢者の急速な増加に医療、福祉分野の対応が声高に叫ばれるが、より深刻な問題が超高齢社会には潜んでいた。
万引き、ストーカー、暴行など犯罪行為に走る高齢者の多さだ。
また、社会とつながりを失いホームレスとなる高齢層の存在も際立つ。
大手メディアが決して報道しない、長寿社会の「闇」を抉る衝撃のルポルタージュ!
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Posted by ブクログ
うんまあ面白かったかな。すごく取材してるし現在の高齢者たちの実体が詳しく描かれてるノンフィクション。一部「一橋桐子の犯罪日記」の元ネタも含まれてた。ただ、「女性ならではの陰湿な」とか「女性こそ感情の抑制が利かず」とか平気で書いているのが気になった。この人の会った人たちはそうだったんだろう。それを女性全般に当てはめるのは差別でしょ。それとさ、読んでて一番気になったのは、高齢者が粗暴になっていくなんて事はあるわけなくて、高齢者と言う層は構成が固定されてるわけではなくて常に流入と流出が起きているわけでしょ?これが書かれた頃の高齢者、つまり単に戦中生まれの人達が粗暴だっただけっていう事はないのかな?このあとその世代が全部死んだら団塊の世代の人達は大人しかった、とか更にその次の世代の方が犯罪数が少なかったとかならないのかな?そういう視点も欲しかったな〜。なので一概にこれらの背景にあるのは長寿だとか孤独だとかって言えるのかな〜って思って読んでた。俺もゴミ部屋孤立死をやられて大家負担で片付けた経験があるので孤立死の章は人ごとじゃなかったね。
Posted by ブクログ
新郷由起『老人たちの裏社会』宝島SUGOI文庫。
長寿社会の闇に迫ったルポルタージュ。
今や人口の3人に1人と言われる65歳以上の高齢者。急激な高齢者の増加に医療制度や年金制度は対応出来ず、年々手薄になる社会福祉。そんな中、高齢者による万引き、ストーカー、DV、暴力などの犯罪が急増しているらしい。虐げられる高齢者の反乱か。反面、高齢者を狙う詐欺などの犯罪も増えているようだ。
今の若い人たちからすれば、まだまだ先のことと思うかも知れないが、いずれ老いは誰にも平等に訪れる。「俺が死ぬときは即死だから保険など要らない。」と叫んでも、何とか生かし続けるのが今の医療。不自由な体と頭で社会の底辺で惨めに生き続けなければいけない辛さと息苦しさ。
これまで長年に亘り健康保険に税金、失業保険、介護保険と、取れるだけ取って、医療費は3割負担に、年金支給開始は65歳、さらには70歳からとなり、年金支給額も年々減額され、日本政府による詐欺のような社会福祉制度。
新型コロナウイルス感染禍に於いては、日本政府は高齢者の死亡率が高いと見るや、まるで感染の拡散と拡大により高齢者を抹殺しようとしているようなGo Toキャンペーンの前倒し強行。
これでは高齢者が反乱を起こしてもおかしくない状況である。
本体価格780円
★★★★