【感想・ネタバレ】Web3コンテンツ革命 個人と企業の経済ルールが変わるのレビュー

あらすじ

第3のネット「Web3」の本質とは、実はこういうことだった!

インターネットが、いよいよ"第3形態"へと進化する。人類があらゆる情報へアプローチできるようになった「Web1.0」、世界へリアルタイムに発信可能なSNSという強力武器を人類が手に入れた「Web2.0」。そして、これから私たちが直面する「Web3」では、全てのデータに対して一人ひとりがオーナーシップを持ち、その権利を自在に行使できる世界がやってくる。

全人類がクリエーター化するコンテンツ革命が起こるのだ。個人が独創性を発揮しやすい環境が整うことから、多くの人がコンテンツを思う存分つくるようになる。そしてそれを目にしてクリエーティビティーを刺激された別の人が誘発されて2次創作を手掛ける、といった無限のコンテンツ量産のループが生まれるのだ。21年に世界中を席巻したNFTバブルは、まさにWeb3の先駆けのような事例だった。柔軟なコンテンツ流通によって生まれる自由な経済圏は、人々の暮らしのルールを変え、企業活動のルールも変えていくことになる。

本著は、ビットコインなどの暗号資産に使われているブロックチェーン技術が、金融だけでなくコンテンツ流通のありようを根底から揺るがす可能性をいち早く見抜いた著者による初の書き下ろし単著だ。独自開発のNFTゲームを国内最大級に育て上げ、著名クリエーターらから高い支持を集めるNFT開発プラットフォームを開発する過程で、精力的に世界中のWeb3関係者との交流する中で目撃した事実を踏まえ、本著ではWeb3の本質をえぐり出す。ビジネスパーソンがWeb3時代をサバイバルするためのヒントや、10年後のコンテンツ作業の未来予想図もひもとく、Web3本の決定版だ。

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Posted by ブクログ

NFT ブロックチェーン技術による唯一無二オリジナルの所有とその鑑定書

1.NFTの利活用     メタバースへの持ち込み 2次創作の商用利用
2.NFTのブランド化   リアルでのブランドとのコラボ
3.NFTと既存のリテールサービスとの融合  顧客限定での販売

Web3 ゼロトラストシステムによる所有 own(Web1.0=read 2.0=write)
 データの暗号化
 本人非特定の通信
 データ合意形成の前提
 それらを可能とするブラウザとUI

DeFi 分散型金融    従来の金融機関に頼らない金融サービス
DAO 分散型自律組織  例:ビットコイン
GameFi ゲームと金融の融合

Web3の問題
 アーキテクチャ乱立  本当にOwn?
 エンタープライズ系システム=大量トランザクション高速処理には向いていない?
 
パーソナライズ広告の規制  Web3 GAFAMの囲い込みビジネスモデル不利 
 ウォレットの偽名の取引、個人情報で どこの支払いでも顧客を特定できる
 Lolli 

日本のコンテンツ市場 11兆8275億円(令和4年度)
 マルチユース化は3兆円 ネット経由で提供は4割 と余地が残っている→NFT化

CC0 著作権放棄 リミックスによるコミュニティーの支持からのヒット
PCL 2次創作物の契約  著作権保護 例:初音ミク 

ゲームがすべてのエンタメコンテンツを飲み込む
 ウォレット内蔵アプリ

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2022年11月26日

Posted by ブクログ

本書の「Web3がコンテンツに革命を起こす」という考え方に、おおいに賛同する。世界の大変化が起こる。
本書が発行された2022年の後半に生成AIブームが訪れた訳であるが、コンテンツ革命がさらに加速しているのは間違いない。
すごい時代になったものである。
時代の変化が益々早まっていると感じてしまうが、気のせいではないだろう。
本書内の「GAFAM(ビックテック)の支配力が弱まるのは嘘だ」という指摘については、実際のところは分からない。
しかし、さすがに世界の天才たちを雇用しているだけあって、簡単に弱体化していくとは到底思えない。
一方でWeb3の世界は、一極集中した富や権力を分散化させ、民主化していこうという流れの一環だ。
GAFAMに牛耳られてしまったインターネットを取り戻そうと、中央集権が無くても成立する世界を作り上げようと狙っている。
この戦いは、果たしてどちらが勝利するのだろうか。
答えは明白で、「勝ち負けはなく、どちらも共存する」ということだと思っている。
GAFAMのような企業が全く無くなって、中央集権的に管理する人がいない状態に、完全移行するとはとても思えない。
それでは現時点のように、GAFAMが力を持ち過ぎて、時には国家以上に権力を持ち、租税を逃れ富を貯め込み続けていくという構図も、未来永劫続かない気がする。
つまり、GAFAMのような権力集中型と、Web3のような分散型が、共存する世界が訪れるだろう。(至極当然で平凡な帰結だ)
多くの人はGAFAMの恩恵を継続して享受しつつも、フリーランスとしてプロジェクト毎に仕事を見つけて、そのコミュニティ内で生活していく。
どちらに偏るでもなく、時と場合によって便利な方を使いながら、緩々と混ざり合っていく。
そんな社会が徐々に当たり前になり、気が付かずに普通に生活していくような気がしている。
Web3の世界観は、テクノロジーの進化の影響の範囲を超えて、人々と社会に大きな変化をもたらしていくのは間違いない。
時代の要請というか、社会の変化というか、そんな変革を感じるのだ。
地球環境の問題や、持続可能な社会について問われる流れと、何となく同一線上にあるようにも見える。
我々1人1人が主体的になって、この地球という環境を維持していく。
その意識を反映させる手段として、Web3という考え方が生まれたのかもしれない。
これから益々技術が進化していくとしても、人間はどこまで行ってもアナログなままだと思う。
脳にチップを埋め込んだり、サイボーグ化すれば、変わっていくのかもしれないのだが、それを求めない人も一定数存在するだろう。
ほとんどの人は温かで柔らかなものを求めるものだし、緑豊かな自然や爽やかな風に、心を癒されるのが普通のことだ。
そもそも人間の資質として備わっているものと思えば、アナログのままでいることを求めるのも納得がいく。
さらに人間の本能として、決して孤独では生きていけないという社会性がある。
人と人との繋がりを求めるのも、人間の性(さが)であるということだ。
それらを機能させるために、SNSコンテンツが大量に生み出されるというのも、十分に納得ができる。
人は人に認められてこそ、生きているという実感が持てる。
生成AIが独自にコンテンツを生み出せるとしても、その命令を出すのはあくまで人間だ。
人々は、生成AIとWeb3という技術を緩々と使いこなしながら、今後も大量のコンテンツを生み出し続けていくのだろう。
それらコンテンツは、現時点でも既に、消費されるよりも、生み出される方が多い状態なのかもしれない。
生活必需品ではないために、「需要と供給」という言葉は合致しない。
生きていく上で自己肯定感を保つことは重要なのだから、コンテンツを生み出し続けられるだろう。
そう考えると、「人類はどこに向かっているのだろう」と考えてしまう。
人々の欲求を満たすために、数々の技術が生み出され、進化をし続けてきた。
一方で、人間とはそもそも社会的動物なのだから、本能として「人と繋がりたい」「人から認められたい」「社会の仲間として存在したい」という感情を持ち続けているはずだ。
その行きつく先として、現時点では、Web3であり、NFTであり、SNSであり、生成AIであるのだろうか。
そして、今後の未来はどうなっていくのだろうか。
明白なのは、大量のコンテンツが生み出され続け、ボチボチと消費されることだ。
多くの人に愛されるコンテンツが生み出される一方で、誰にも消費されない大量のコンテンツが、屍のように放置され続けることが予想できる。
誰にも読まれないブログ、誰にも見られないYoutube動画が、溢れ続けていくだろう。
承認欲求を本能とする人類が、誰にも見られず需要のないものを生み出し続けられるものだろうか?
そこには古来から、自分しか読まないはずの「日記」というものが存在しているし、現在のSNSコンテンツも日記代わりに投稿され続けている。
(私のこの読書感想文も、ほとんど読まれていないにも関わらず、なぜか書き続けられている)
今は誰も読んでくれなくても、未来には誰か1人くらいは見てくれるかもしれない。
今は自分だけのために書いていても、未来の誰かが自分の足跡を認めてくれるかもしれない。
そんな期待が持てるから、やはりコンテンツは生み出され続けていくのだろうと思う。
やはり人間とは、どこまで行っても、誰かから存在を認めて欲しいという本能を持っているということだ。
きっとその本能を、生成AIが後押しして、その人らしいコンテンツを自動的に大量生成していくのだろう。
そんなことを、現在の技術が可能にしてしまったということだ。
これら溢れかえったコンテンツの扱いやルールは、今後変わらざるを得ない。
私自身、著作権に関わる仕事が多かったために、一般の方々より多少詳しいと思っているが、現状の著作権の考え方が成立しづらくなる予感がしている。
ただでさえ難しい著作権法を、一般の人がすべて理解するのは無理がある。
しかも、生成AIが生み出すコンテンツは、機械が生成している以上、現状は著作物と言えないと考えるのが一般的だ。
つまり、この法律の適用外とするのが当然であるが、話はそんなに単純ではない。
生成するために参照している元データが、人間が生み出した著作物の場合、判断はより難しくなってしまう。
◎生成されたコンテンツが、元々の著作物とそもそも似ているか(類似)
◎生成されたコンテンツが、そもそも元々の著作物を参照して生成されたのか(依拠)
などで判断されるケースが出てきてしまうため、生成AIで生み出されたコンテンツを、そのままブログとして掲載したり、Youtube動画として公開することは、何らかの著作権侵害をしてしまう可能性を否定できない。
しかし、これらのことをきちんと理解して、全く間違わずに使いこなすことなど、実際可能なのだろうか?
(この読書感想文は、生成AIの力を全く借りず、私自身が脳トレのつもりで全て書いている)
そもそも生成AIは自動で過去データを読み込んで、自動で生成するように出来ているのに、その仕組みをストップさせるなんて出来ないだろう。
結局ルールの方を変えざるを得ないのではないかと思ってしまうのだが、果たしてどう変えればよいのか、現段階では見当もつかない。
そもそも現行の法律自体、これら技術の進化を見据えて作られた訳ではないため、想定していなかったことが余りにも多過ぎる。
本書内で解決策を提示している例として、下記の2点は非常に参考になった。
★「ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)」=コンテンツ制作側(著作権者)が、独自の2次創作のためのガイドラインを公開すること
★「CC0」=著作権を放棄し、誰でも自由に二次創作できる状態にすること
なるほどと思う一方、コンテンツ制作側のリテラシーを求めるものでもあるので、一般の方々に理解してもらうのはハードルが高いかもしれない。
解決策の方も日進月歩で様々なアイディアが出されて、試行錯誤が繰り返されているため、追いかけるのも大変だし、益々複雑化していくのは間違いない。
ここ最近はバズワード化しつつある「NFT」であるが、この文脈で考えると、デジタルコンテンツの持ち主を明確化するために、デジタル上の鑑定書機能を持たせ、全ての取引履歴を分散化台帳として追える技術というのは画期的かもしれない。
法律の足りない部分を、技術の進化で補っていくということか。
人類とは、すごい事を考えつくものである。
本書のサブタイトルである「個人と企業の経済ルールが変わる」は、まさにその通りだろう。
これからの未来、様々なことが一気に変化していくはずだ。
まさにオセロの駒がひっくり返るかの如く、今までの当たり前が通用しなくなる日が訪れる。
そんなことを想像しながら、来たる未来の変化に向けて、心の準備をしておきたいものである。
(2024/12/1日)

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2025年01月09日

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