あらすじ
新しい資本主義が胎動する瞬間を見逃すな!
ガーナの電子ゴミを10億円に変える 話題の美術家 長坂真護氏。
現地に私設の学校、美術館、リサイクル工場を設立。
枠にとらわれず活躍の場を広げる長坂氏の目に映る「資本主義の先」とは―。
SDGsの“次の取り組み”に未来へのヒントがある!
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Posted by ブクログ
この本、著者の活動、ガーナの現実を多くの人に知ってほしい。
これからサステナブルキャピタリズムを体現する企業が日本や世界で増えてほしい。
著者の目標が達成して、その成果でノーベル平和賞を受賞してほしい。
著者の資本主義の概念に対する独自の解釈が面白かった。
ビジネスとして継続できるように構築した仕組み(スキーム)が優れていると思った。中間業者に搾取されない仕組み作りは最初が肝心だと痛感した。
言葉にする、宣言する事で自分にプレッシャーをかける生き方は執念深く、常人には真似できない。
30歳で一度実家に帰って、納税滞納・家に1円も入れない・部屋にこもって女性の裸ばかり描いていたら、母親から「非国民」とブチ切れられるエピソードは申し訳ないが笑った。
Posted by ブクログ
一つのサステナビリティの考え方として興味深く読ませていただいた
文化経済環境のバランス
ガーナのゴミで作った作品が1500万で売れた。それまでは美人画で30万程度で売る画家だった。
社会課題の解決を事業として展開する時代の変化に敏感な経営者が次々と作品を買って行った
収入を絵の売り上げの5%と決め、残りはガーナ野問題解決に使うと公言している。これが価格を引き上げている。
絵の価格のからくりは、ガーナのマイナス1500万円の負債を意味する。負債の大きさはアートの価値の大きさとして先進国で転換される。レバレッジ
資本主義から自分自身が抜けることはできない、飛行機も使えないしスマホも使えなくなる、これを利用する方がいい
売上以上にソーシャルクレジット、もたらすソーシャルインパクトが企業価値に影響するようになるのではないか
寄付はサステナブルではない
依存関係を生み出す
→経済活動を生むマイナスを提供出来てることが共存関係になる、ある意味で平等
負の力をお金に変えられるアート
画廊ビジネスは、画廊と画家で売り上げを折半、2週間の個展をやるサイクルだとすると24人抱えられる。エクスクルーシブな契約だったり、売れなかったら画家持ちになったり画廊に有利。比率はより画廊が大きいこともある
ボランタリーチェーン
事業者は作品を無料で展示でき、売り上げは折半、オンラインで事業者同士が繋がり、他の事業者の作品も取引ができる。
本部は在庫リスクを抱えなくて良い
セカンダリーチェーン
転売ができるマーケットを指定する契約書にした。売上は本部と売却者で折半
業界のルールに乗らない新たなシステム
Posted by ブクログ
通勤中に読んでて、泣きそうになって
帰宅してから2時間で読破。
アートも見たことあるけど、
考え方でも心に訴えてくるものがある。
アグボグブロシーに出会うまで、
月シリーズのこと、
真護さんが考えるサステナブル・キャピタリズムについて
しっかり知ることが出来た。
同じ世界に生まれているのに、
どうしてこんなにも世界は不平等なんだろう。
資本主義の社会でしか生きられない私たち。
だからこその使命。
それを教えてくれる本だった。
本気でサステナブルに立ち向かい、行動されてる方。
Posted by ブクログ
まさか芸術家がスラム街を変えようとする力を持っているとは想像したことがなく、今までになかった斬新さと行動力の強さが終始光っていた
終盤の理想の壮大さが言葉にできない規模だった。でも彼ならできるんじゃないかと思わせる。
Posted by ブクログ
読んでいて、失敗を重ねながらも何か大きな夢のために海外に出たりしてあがいていた、大学のアクティブな先輩たちを見ていたことを思い出した。何か懐かしい気分だ。やってることのクリエイティビティの高さと倫理的秀逸さからいって安直に比べることもできないことかもしれないが。取り組みとビジョンが凄すぎて圧倒されてしまった。素晴らしいとしか言いようがない。
ここまでのアクティブさと比べると自分はただの普通の人間だということを改めて思い知らざるをえないが、それでもここに記されている感情に深く共感する。自分も海外で打ちひしがれた思いを持っていたから。何となく、自分と構想の作り方の発想も似ている部分もあるかもしない。
自分にもさしあたってのプラットフォームづくりという目標はある。今まで書いたエッセイの英訳が先だし、流石に同じようには真似できないものの、なんとか時間をひねり出してそれに従事していきたい。
そして、もう何かよくわからないが、やはり今は身の丈に合わない巨大なものに向き合い過ぎているよう思う。それに見あった情報を持ち合わせてもいないものに。精神面その他にも、色々危ういのでこの読書録はここで終わりにする。
今考える限り最も正統で真っ当で実効的な世界への働きかけ方はプラットフォームづくりの成功だと思う。だから、もしもそれが成功したときには……
いつか来るかどうか知れないその時まで、さよなら!
Posted by ブクログ
世界最大級の電子機器の墓場と言われるアグボグブロシーを公害ゼロの街に再生すべく奔走する長坂真護さん。
上野美術館での長坂真護さんの作品展にも行ってきた。セブンティーンという絵を見た。日本だと高2くらいかの男の子が黒ずんだ汗を流して火傷で皮が何か所も剥けガスマスクをつけて、しっかりと遠くを見据えている絵で、ここに生を受けた故に…色々考えて切なくなった。
長坂さんの絵は最低でも20〜30万円。きちんと仕事してある程度の成功をおさめた人でないと買えない。
アグボグブロシーの人たちの為に貪欲に周到に漏れなく、自身の作品を制作して販売して管理する。凄みを感じる。
この本をたくさんの人が読んだらいいな。
Posted by ブクログ
今日、上野の森美術館で開催されている長坂真護展に行き、そこでこの本を買って一気に読んでしまった。
作品も素晴しかったけど、この本を読んで長坂さんのバイタリティー、アイディア、実行力、信念に感銘をうけました。
ガーナの電子機器を焼却して生活しているスラム街アグボグブラシーに行き、その廃棄物を使って作品を作り、売って出た利益でアグボグブラシーにガスマスクを持っていったり、リサイクル工場を作ったり…
「持続可能な資本主義」という考え方は、今の時代に必要だと感じました。
これからの世界を真剣に考える彼のような人たちが増えていってほしいなと思います。
Posted by ブクログ
仕事で悶々としているなか、抜け出すヒントが欲しく、書店をぶらついていると、「長坂真護」の文字がみつかり、即購入、一気読み。
『君の行動に愛はあるか?』を読んだこともあるため、経歴や活動内容は知っていた。その後のことが知りたかった。
前に着実に進めている(理屈ではなく、実績として)、
幸運な出会いが前進のエネルギーとなっている、
そんな印象。
映画「Still A Black Star」も見たいが、日本で視聴できるのだろうか・・・。
購入目的である「ヒント」は得られたのか、という自分の問いには、
自分が動かないと、状況は変化しない
(だから、動こう!)
(〇〇が終わってから、では、遅い、かも。)
と思えた。
問いへの答えは、よく聞くフレーズではあるが、
抽象的な言葉としてではなく、読書にて追体験をしながら得られた言葉には、濃い色がついて、自分の中に残るような気がする。
買って読んでよかった。そして、書店でこの本に出会えてよかった。
補足的に、
心に残ったフレーズを2つほど。
前後の文脈があると、もっと響く言葉になる。
"『これからは夢を現実にしている人間と一緒にいた方がいいよ。ネガティブな人間と一緒にいてばダメ。それが現実になってしまうから』"
"彼らが背負っている現実は、僕のプライドを簡単に飲み込むほど、過酷なものだったからだ。"