あらすじ
いままさに黎明期を迎えているNFTアートの世界を第一人者と深く考える!経済、芸術、情報・メディアの専門家を迎えた対談も収録。
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Posted by ブクログ
nftについての基本的なことが書かれていたので、これから買ってみようと思う人は読んでほしい
学んだことはnftアートはまだ名もないクリエイターが食べていける可能性があるということでした
Posted by ブクログ
ビットコインなどの通貨の他に、ブロックチェーン技術
の本格活用がNFTだと思いました。
アートだけではなく、所謂コンテンツのNFT対応が進んで
来ているなあと思っていた状態でもありました。
また、個人的には息子が博物館学的な内容で、資料の保管や
貯蔵の考え方とかの勉強をしていて、その内容を聞いている
と、これらの技術の活用は今後いろいろな場面で
有用なのだろうと思いました。
Posted by ブクログ
これまで見聞きしていたものの、いまいちよくわからなかったNFTアートを題材にしており手に取った。本書はまずアートとは何かというところから始め、その後NFTアートの話題に入っている。NFTアートの本というより、NFTアートを通してこれからのアートを考える本だと思う。
進化の著しい話題を扱うには2022年発行の本書は古い気がしたが、「アートとは何か」みたいなことは数年程度で変わらないだろうし、理解の助けになった。読み終わっても、結局のところNFTやブロックチェーン技術について明確に理解したとは思えないが、これらの技術は社会のインフラとなりうるもので、アートの概念に留まらず社会構造自体を変革していく可能性があるのだということはわかった。
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・冒頭で以下のNFTアート作品が紹介されている。現代アーティストたちはNFTという仕組み自体まで題材として制作しているよう。作品の背景を知るだけで奥深いものに触れられ、普段考えないことに思いを巡らせてしまう気がする。
- ビープル『Everydays: The First 5000 Days』
→2021年のオークションにて存命アーティストとしては歴代3位の約75億円の高額落札。2007年から5000日に渡って描き続けたデジタルアート5000枚をコラージュした、21,069x21,069pixelの画像。
- エミリー・ラタコウスキー『Buying Myself Back: A Model for Redistribution』
→リチャード・プリンスの作品『New Portraits』に自身の写真を無断で使われたことへの抗議の意味合い。タイトルの通り「自分を買い戻す」。制作に至るまでの逸話が面白い。
- ダミアン・ハースト『The Currency』
→カラフルなドットで覆われた手描き作品で、1万枚が制作された。見た目はほぼ同じだが、紙幣のようなホログラムやサイン、シリアルナンバーのようなメッセージで「偽造を防止」している。そしてそれらを基にNFT版も制作。購入者は1年後に物理版かNFT版のどちらかを選び、他方は破棄される。2022年にロンドンのギャラリーで実際に物理版が焼却される様子が公開された。
・NFTの「還元金」、追及権の社会実装
→ブロックチェーンのスマートコントラクトの仕組みにより、NFTが二次販売された際に制作者に「還元金」を自動的に支払うことができる。アート市場には大きく(1)ギャラリーなどのプライマリーと(2)オークションなどセカンダリー(二次流通)の市場がある。制作者が利益を得られるのは(1)であり、作品の値段が高まる恩恵を制作者が得るのは難しかった。著作権のひとつに「追及権」(美術品の転売ごとに、著作者である芸術家が作品売価の一部の支払いを得ることができる権利)があり、それの社会実装となる可能性がある。
・アートとは何かという話題について、以下のような記述があった。
- アートの本質とは、「時を隔てて唯一性のある普遍的な価値を問うこと」。
- 絵画や彫刻、写真や映像などといった表面的な形だけを見れば、アートとそうでないものを区別するのは難しい。しかし長い時間を経てその価値がどう変化していくのかを見れば、それほど難しいことではない。長い時間をかけて、市場がそれをアートであると判断することになる。
→一方で、以下のような考えも示されていた。
アートにも流行があるので、明確な線引きは難しい。よくよく考えてみると、アートとそうでないものの違いは結局のところ、対峙している市場の違いかもしれない(同じ映像作品でも、映画の市場とアート市場どちらに委ねるか)。映画市場は封切られてから人気が出なければ打ち切りになる。アート市場はその時点で一部の人にしか受け入れられないものでも、作家が亡くなった後でも評価されるかもしれない。
・なぜNFTはアートと相性が良いのか?
- 作品の真正性や由来(制作者や制作年など)、その後の流通や利用を示すための「証明書」、「公式記録」、「鑑定書」のようなものとして、信頼できる情報を残すことができる。これらが贋作の排除や後年に作品の価値を育む、アートのインフラとなりうる。
- 作品の価値を作り出したアーティストへの報酬が少なすぎる問題を解決できる(NFTの「還元金」の仕組み)。
→これまでアート業界が必要としてきた「価値継承の環境」を作る上で、NFTは便利な道具になる。
・現在のところ、NFTアートをはじめとするデジタル資産には所有権が認められていない。
- 技術の進化に法律が追いついていないと良く言われるが、その具体的な一例を知った。現状の日本の法律では、歴史的経緯のある「電気」は例外として、無体物に所有権は認められていない。仮にNFTアートが電磁的な方法で盗まれた場合、窃盗ではなく不正アクセス禁止法などで罰せられることになる。
- NFTアートの取引が法律上の問題となった場合、NFTアートは「アーティストが持つ著作権を背景として、作品に関する一定の権利を与える契約」という形で理解されるのが一般的。購入者はNFTアートを所有するのではなく、「所有権のようなもの」を持つ。無理のある解釈で、今後辻褄の合わない事例が増える懸念がある。
- バンクシーのスクリーンプリント作品『Morons』を所有者が勝手に作品のNFTを発行した上で焼却してしまった2021年の事例があげられている。所有者は発行したNFTを売却することで、買い値より高値で売ることに成功。著作権を持たないコレクターにこのようなことをする権利はあるのか?
Posted by ブクログ
ちょっと前にYou Tubeで知ったNFT。
私自身も芸術活動をしているので、とても興味を持っている部分。
もっと細かい部分も調べつつ、まずはその中に入って見てみようと思う。
Posted by ブクログ
NFTがアート作品として残っていくのか、これは歴史が判断するという事になるのだろう。
これを読んだ2023年、肌感覚としては1-2年前程、NFTが話題に上がらなくなっているような気がするが、どうなっているのか気になる。