あらすじ
<このままだとあたし おばあちゃんころしちゃうかも>とネットに書き込んだヤングケアラーの少女。<ニホン人でもブラジル人でもない。でもこの国でしか生きられん>と訴える日系ブラジル人の少年。社会からはみ出した子どもたちの人生が交錯する時──。現代日本を照射する傑作社会派エンタメ。
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Posted by ブクログ
まずはこの題名でロック好きの私にとって思い出すのが、「キッズ・アー・オールライト」イギリスのロックバンドザ・フーのドキュメンタリー映画であり楽曲でもある。
丸山正樹さんがまたやってしまいました。
ヤングケアラー、日系ブラジル人の居場所これらを題材にした社会問題を考えさせられる素晴らしい作品でした。そしてとても印象に残ったセリフで河原が悩む言葉に共感しました。「はたして自分は彼らに「将来」を考えさせ、「未来」に希望を抱かせることかできるのだろうかー。
「ピアカウンセリング」や「レスパイト」などの専門用語への関心
あなたも読んで共感して下さい。感動して下さい。
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子どもたちは大丈夫!ヤングケアラー、日系ブラジル人の居場所を題材にした素晴らしい作品。フィクションなんだけどきっとノンフィクションのはず。子どもたちを救いたいと奮闘する大人もたくさん存在する。
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92子供が安心して暮らせるには、親の自覚と周囲の関心とが同じくらい必要。分断の世界を結合と融合のある世界に変える努力を続けないと子供は育たない。幸福も育たない。一部の奇特な方達だけが困難を背負う社会を先ず変えないと。
Posted by ブクログ
読み始めて、何となく何かに引っかかる。
あ…これは『漂う子』と繋がってる話だと感じる。
(あまり詳細は覚えていないのだが…)
「ヤングケアラー」「在留外国人(日系ブラジル人)の子供」を題材としていて
またまた考えさせられる内容だ。
所々にさしこまれるゴシック体部分、
その都度、誰の言葉か考える作業が生じて、
どんどん引き込まれる勢いにブレーキがかかるのが
個人的には少しもどかしかった。
子供が苦しむ作品を続けて読んで、かなりキツイ。
「誰かの役に立っている」そう思えることは
明るい一歩になることもあり、重い鎖となることもある。
子供には、明るい光のさす道を歩いてほしいと願います。
Posted by ブクログ
ヤングケアラー、在日外国人の子ども達などが抱える問題がリアルに描かれている。
重いテーマではあるけれど、素人にもわかりやすくて勉強になった。
具体的に自分に何ができるだろうかと思うけど、まずは知ることから…。
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今作の舞台は名古屋
「漂う子」のシバリが今回も登場。
ヤングケアラー問題、日系ブラジル人の子供達の問題が今作の主軸。
最近ニュースなどでヤングケアラーの問題を耳にすることが増えました。
今作はコロナ禍の子供達であり、色々とタイムリーな内容で読んでいると胸が痛みました(*´-`)
相変わらずの膨大な取材による内容は、物語を読んでいるというよりドキュメンタリーを観ているよう。
とても勉強になった読書に感謝♪
Posted by ブクログ
子供問題に関わるNPO、元不良で今は不良たちを食い止める鳶職、祖母の介護で高校に行けない少女、ドラッグ、外国人差別・・・
現代の問題を詰め込んだ力作。政治家が読むべし。重たい話なのにすらすら読める。
いい人が多すぎるのが玉に瑕。世間にはこんにいい人が沢山いるのか、それとも汚濁した私の周囲には汚濁した者ばかりなのか。
Posted by ブクログ
コロナ禍になってから職を失い、住むところを無くして途方に暮れている人がいる。
だが表面に出ていないだけで、日系人だと国に帰らざるを得ない人もいただろうし、親にすてられた外国籍の子どもたちは、何処で生きているのか…それすら把握できないのが現状ではないのだろうか。
この小説も学校すら行けていない日系ブラジル人の少年たちや介護に追い詰められるヤングケアラーの少女のことである。
フィクションではあるが、リアルな出来事では…と感じてしまう。
彼らの叫びが、聞こえてくるような…それほどまでに危機的状況を受けるほどの切実さである。
子どもたちが追い詰められて悲惨な結果になる前に、誰かが気づいて手を差し伸べることが必要だと強く思った。
子どもたちに明日や未来がないなどと絶対に思わせてはならない。
Posted by ブクログ
The kids are alright(子供たちは大丈夫)。子供の人権救済活動に携わる人々の話です。
デフ・ヴォイスシリーズから離れ、前作『ウェルカム・ホーム!』は軽いコメディータッチのお仕事小説で少々アララ?でしたが、本作は丸山さんらしいやや重めタッチ。やはりこの方が似合います。学校で阻害され義務教育さえ受けずに堕ちて行く日系ブラジル少年の集団、貧困や虐待の末「パパ活」などに走るストリートチルドレン、最初は自らの善意で始めたものの抜け出せなくなったヤングケアラー。そうした子供たちの状況が生々しく描かれます。そしてそれを救おうと様々レベルで動く人達。
奥さんが重度身体障碍者という所からくる経験や取材力なのでしょうか、単純な理想論には走らないのも好感が持てます。ストーリー的にはやや安易さは感じられますが、最後は一気読みでした。
Posted by ブクログ
ヤングケアラーって相当闇だなあと思った。子どもの「今」を、「将来」を奪うもの。子どもは今をいかに楽しむかを考えることが許される存在。ヤングケアラーはそれが出来ない。どうして未来を潰されないといけないのか。そういう風に仕向ける親も毒親ってやつになるのかな。貧困、毒親、売春、そして日系ブラジル人たち。とても作られた話とは思えない。こんなことがゴロゴロ転がっているのが現代の日本なんだろうなあ…悲しい。
Posted by ブクログ
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「在留外国人の子供」
「ヤングケアラー」
2つの問題を子供の家というNPOを舞台にしたストーリーで2つの題材が結びついていく
ストリートに生きる日系ブラジル人の少年
介護に追い詰められるヤングケアラーの少女
子供たちからのS.O.S.が聞こえる
不器用な「見えない存在」である彼らを、今日も見守る大人たちがいる。
先ずは理解する事から始めないと…
悩んでいる子供たちは近くにもいるのではないか〜?
Posted by ブクログ
在留外国人の在日の子供達やヤングケアラーたちの現実を描いた作品。
犯罪すれすれのところで生きている彼らとその子供たちを守る活動をしているNPO職員。
どちらも今の日本で起きている事だと思うと暗い気持ちになる。
それでも希望が持てるラストになっている。
著者の作品はいつもそうだけど考えさせられる作品となっている。
Posted by ブクログ
気になっていた一冊。
日系の話も、ヤングケアラーの話も今の環境からはまったく接点のない暮らしを送っている私には新鮮な世界。
ただ、ひょっとするとただ見ないフリをしているだけで、ちょっと目線を変えればすぐに見えてくる世界なのかなぁとちょっと思いました。
Posted by ブクログ
なにも特別な事を望んでいるわけじゃない。
せめて子供が子供でいられる間くらい、不安や絶望を感じず毎日を安心して過ごす事が出来れば。
そう願わずにはいられない。
今作は認知症の祖母を介護するヤングケアラーの少女と、ストリートに生きる日系ブラジル人の少年達をベースに展開する。
物語はブラジル人が多く住む豊田市保見団地で実際に起きた事件を彷彿とさせる。
世の中には排他的な考えを持つ人もいるけれど、それ以上に子供達の幸福を願う人達がたくさんいるはずだ。
子供達のSOSに耳を傾け、その笑顔を守るのは大人達の役目だと改めて思う。
Posted by ブクログ
在日外国人やヤングケアラーと彼らの問題に向き合おうとする「大人」の姿を描いている。
うまくいった教科書のような話になっているが、この作品はそれでいいと思う。まずは広く知らせ、気づかせること。私たちが何を見て見ぬふりをしているのかを。
ここにいる「大人」たちの姿に頭が下がる。
Posted by ブクログ
ヤングケアラー、在日外国人の子どもたち…「普通」の子どもたちの輪の中に入っていけず、学校から遠ざかってしまう子どもたちがいることを知ることができた。そして、そんな子どもたちに対して、大人ができることはなんだろう、と考えさせられた。
物語に出てくるNPO「子どもの家」のメンバーは、児相でも警察でも対処できないようなケースに対して、多少「強硬」なやり方でも子どもたちを救おうと活動している。彼らのように、子どもたちの何気ない言葉から、SOSを読み取って、何かしらの行動をすることが、周りの大人にできる唯一のことではないかと思う。
子どもに仕事を押し付けるのが保護者の責任放棄になる一方で、「何もできない自分」を責める子どもたちにとっては、誰かの役に立っているという実感が生きる希望にもなる。その線引きは難しいけど、子どもの声はどんなに小さいものでも聞き逃さず、耳をすましていきたいと思う。