【感想・ネタバレ】ピカソになれない私たちのレビュー

あらすじ

国内唯一の国立美術大学・東京美術大学油画科。なかでもスパルタで知られる森本ゼミの望音・詩乃・太郎・和美の4人は、自身の才能や未来に不安を感じながらも切磋琢磨していた。そんな時、ゼミに伝わる過去のアトリエ放火事件の噂を聞き――。不条理で残酷な「芸術」の世界に翻弄されながらも懸命に抗おうとする〝美大生のリアル〟を描いた青春小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

美術というこれといった正解がない世界でもがく大学生たちのお話だった。読んでいてずっと苦しい。

いろいろなタイプの大学生4人だけれど、読み進める中で誰かしらに感情移入できる気がする。
苦しいシーンが多かったけど、最終的にそれぞれが自分が納得する形で進んでいたのが本当によかった。森本先生も含めて。


自分らしさとは何か、才能とは何かを考えさせられた。お互いにないものねだりで、他者が羨ましく妬ましく感じることもある。でも作品の中の詩乃の思いの中で、他人には他人しか描けない絵があるけれど、その分自分にしか描けない絵がある、みたいな言葉のように考えられるということが生きていく上で、美術に限らず大事かもしれないと思った。

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2023年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

東京芸術大学。最難関であり、就職にいちばん遠い大学…。
入学するときは芸術のエリートなのに、その後の生活の保証なし。
そんな学生生活をおくる4人の若者の群像劇。

作者さんが藝大ご出身なので、中のことが知れて面白かった(興味本位で読むには)。
しかし才能で淘汰される世界、しかも選び抜かれた者たちのなかで、嫌というほど自分を思い知らされる…。
友でありライバル、才能に嫉妬し嫉み苦しみ。個性を見出すために七転八倒する。若いからできるバカや苦労もある。
それでも自分の道を進むしかない。
読後はスッキリしてよかったが、小説としてはもうひと超えほしかった。

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2023年08月29日

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