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Posted by ブクログ
生きることの厳しさを知りながら、押し付けなく精一杯生きるジイたちに、それを受け止める周りの人達に、力のような光のようなものを与えられた。
一気に読み、一気に島に連れて行かれた感。
Posted by ブクログ
短編と中編の計三話からなるオムニバス形式。さらっと読めました。
一話目の『海神―わだつみ』というお話が一番短いのですが、一番グッときました。「逃げたっていい。しかし、自分の人生から逃げ続けることは、できはしない」というようなジイの言葉、恐怖から奮い立ちいざ立ち向かおうとする孫の姿に、勇気をもらいました。
二話目を読んだあとに著者の『瀬戸内島MAP』を見て、三話目がどんなふうに繫がっていくのかなとワクワク。
文庫化にあたって加わった解説、絵本作家きむらゆういちさんのお話がまた素敵です。
Posted by ブクログ
「海と」というより「島と」だな。三人のジイさんたちのほっこりした3つの話。それぞれ短編だけど、ゆるやかにつながるよくある感じ。最初の話が一番すき。
Posted by ブクログ
『海とジイ』は、藤岡陽子ファンであるわたし好みの作風でした。 いつものように、大いに感動し優しい気持ちになった。
随分古いたとえですが、小柳ルミ子の『瀬戸の花嫁』のような、穏やかで素朴で美しい瀬戸内の島を舞台に、それぞれの人生の一つの帰路に立つ三人に、図らずも、三人のジイが己の人生・生きざまを見せる物語。
第一話『海神 わたつみ』
穏やかだけではない荒々しい瀬戸内の海。
漁師のジイと不登校の孫の"命をかけた"約束。
涙を誘う。
第二話『夕凪 ゆうなぎ』
地元医療に尽くしてきたジイと看護師、
老いへの不安からの覚悟、凪ていく想い。
『ここに自分の仕事がある』
第三話『波光 はこう』
石の博物館館長に転身したジイと受験生の孫、
『時間というのは不思議なもんだぞ。 なんの目的もなく生きていると、時間は無制限にあるような気になってくる。どうやってつぶせばいいのかと、厄介なものにさえ思えてくるんだ。』
『自分の弱さを受け入れた時に初めて、人は強くなれる。』
ジイの語る半生に、胸が熱くなる。