あらすじ
謎の脅迫状に巨大カルテル、恋敵(?)も現れて……この業界も私もヤバい。
ドラマも絶好調! 霞が関でも話題沸騰の「公取委」ミステリー。
著者より)全国の働き者に捧げます。仕事帰りの豚骨ラーメンのような一冊です。―新川帆立
公正取引委員会の審査官、白熊楓は、九州事務所への転勤を命じられる。ところが配属先は、前任者が次々と離職しているいわくつきの部署だった。上司のパワハラ、人員不足、慣れない土地での生活に苦しみながらも、内偵業務のエース、常盤とともに、呉服業界の内偵に乗り出す。内偵を進めるなかで、巨大なカルテルの可能性が浮上。本局第六審査長(通称ダイロク)のメンバーたちも博多にやってきて、調査を開始するが……。呉服業界を覆うぶ厚い雲を、白熊たちは取り払うことはできるのか? 『競争の番人』シリーズ第2弾、新天地で開幕!
「法律の描写がファクトに忠実だ」と、公取委職員もうなる物語。担当記者のバイブルにしたい。―毎日新聞社会部 柿崎誠
お仕事小説の真髄は、当該職業従事者ならではの矜持を描くことにある。その矜持──公正取引委員会が「競争の番人」たるゆえんが明かされた瞬間、小説自体がひと回り大きな変貌を遂げた。この小説は、古き良き、今どき新鮮な「正義のヒーロー」を出現させる試みだったのだ。主人公は中央(霞ヶ関)から地方へと転勤したものの、中央の仕事の下請けであらざるを得ないことから、仕事に対し苦悩と葛藤を抱く。そして二転三転する厚みあるストーリーをくぐり抜けた先で、主人公が正義のヒーローへと変身する瞬間が現れる。この変身こそが、『競争の番人』シリーズの最大の快感であるとともに、読者へのメッセージでもある。なぜなら自分なんて「正義のヒーロー」からはほど遠いと思っているあなたもまた、変身できる、と断言してくれるからだ。―書評家 吉田大助
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
おすすめできる作品です!
一気読みしました。
・1作目に続いて九州の支部でも強烈なキャラクターとストーリー展開だった
・1作目では比較的業務で上手くいってた白熊が、何のために仕事をしているのか悩む部分は自分と照らし合わせてとても響いた
・スタンスが変わったのか、小勝負にストレートに指摘された時の衝撃などは、自分が言われたように結構考えさせられた
・仕事はいい時も悪いときもあるが、信念を曲げずに目の前の仕事に集中していればきっといいことがあるはず、とおもわせてくれる物語だった
明日からの仕事の活力が湧きました!
早く3作目を読みたい!!!
Posted by ブクログ
«置かれた状況でやるべきことをやる»
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
霞ヶ関の職員から立場が変わり、新天地九州で奮闘する白熊さんの姿に、今回も元気を貰いました。
主人公の成長に焦点を当てた作品は沢山あるものの、今作のように立場の変化とともに考え方が変化していく様を描いた作品はなかなか無いように思うので新鮮でした。
私自身パワハラおじさん・おばさんは好きになれないなとは思いますが、自分が苦手な人達も、それぞれの立場の中で奮闘しているのかと思うと、なんだか親近感を覚えるような、温かい気持ちになるような、そんな気がします。
置かれた立場の中で、精一杯自分なりに真っ当に生きようとすること、正義を貫き通そうとすることが大切なのかなと思いました。
小勝負君とは恋愛関係に発展するのかなとワクワクしていたのですが、どうやら少し違う方面に進んでいきそうな予感…?
次作が待ち遠しいです!!
Posted by ブクログ
白熊ちゃんはとても感情を素直に出すから、いろんな不満や悲しみがダイレクトに伝わる
人間関係ってふとしたことで良くも悪くもなるから、仕事におけるそれはとても大事だなと思った
当たり前に同じことを目指せる職場ってありがたいものなんだなと思った
常盤くんは個人的には好き
目的のために手段を選ばなさすぎるけど、彼の中では起こってしまったことを最大限自分のために利用しただけなのかなーとか考えてしまった
でも、それを受け入れられないのも、受け入れたらいけないこともわかる気がする
人の人生を自己責任という言い訳をして狂わせているように感じた
Posted by ブクログ
白熊さんの特技に合わせて、ハードボイルド展開の多かった前作の方が面白かったが、今作も広げた風呂敷サクッと畳めてすっきり爽快。ひとえに白熊さんの人徳によるものか。
常盤くんが固定メンバーとして恋の鞘当て始まるかとヒヤヒヤしたが、あっさり退場。男2女1の恋愛ものは好まないので潔さに喝采。
小勝負くんのバックボーンがわかり、今後は父が敵として立ちはだかるのかもしれないと予測しつつ、次作を楽しみに待つ。