あらすじ
小説の新人賞には「傾向と対策」が通用しない――評価の物差しは、時代とともに常に変化し続けているからだ。では、入賞する作品としない作品の違いはどこにあるのか。古今東西の様々な名作から、作家たちの「たくらみ」を暴き、執筆の基礎からテクニックまで徹底解説。編集者として数多くの著名作家を担当する傍ら、五つの新人賞を立ち上げた著者だからこそ語れる、小説家には書けない小説の書き方!
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Posted by ブクログ
編集者目線
前原政之さんから。
参考になった。著者はエンタメの文藝編集者で、小説のさまざまな知見を披露してゐる。文体が古風でいまどき面白いが、特にとがった意見とは思はなかった。
著者のひいきは宮部みゆきと担当だった髙村薫で、頻繁に登場する。
やたらめったらに書きあげるよりも、筋から視点人物等を決めていくほうがよい。といふのもわかった。最後の安部龍太郎の歴史小説の構成づくりも、小説作法が垣間みえて大変参考になる。
Posted by ブクログ
本書は、著者が「新潮講座」で講じた創作講座を書籍化したもの。
その著者はというと、高村薫さんの担当を20年以上務めてきたベテラン文芸編集者の方だとのことだ。
私自身は一ミリも小説を書きたいとは思っていない。
どちらかというと、自分がもっと面白く読めるようになりたくて、あるいは読者として鋭敏になりたくて、文学理論や文章読本の類を時々読んでいる。
本書を手にしたのも、そういう関心からだ。
小説の書き方の本というと、たしかに実作者の手に成るものが多い。
編集者が書いたというのは、自分にしてみればちょっと新鮮だった。
本書は、新人賞にこれから応募しようという人に向けて書かれている。
曰く、賞の傾向と対策を立てても意味がない。
また曰く、自分語りから離れよ。
そして、キャラ設定を固定させすぎるな。
他にも構成をどうすべきか、視点人物を誰にすべきか、テーマを語らずに表現せよ、などの話を、実例を挙げながら次々に解説していく。
物語性、話の面白さを何より重視するエンタメ小説のための指南である。
それぞれの指摘をなるほどなあ、などと面白く読んだけれど、一方では、なぜ最近自分が小説をあまり読まなくなったのかも、本書を読んでほんのりわかった気がする。
少しでも面白くという作為が見える文章を追うのは、存外疲れるのだ。
まあ、世の中再びのミステリブーム。
ミステリとファンタジーしかないのか、とちょっと嫌になっているのだけれど。
Posted by ブクログ
読み手にとっても参考になる事柄がちらほら。小説の書き手を目指していなくても得るものがある書だと感じた。
作家が何を狙って誰の視点を選んでいるのか。物語で何がどう変化、成長するのか。起承転結で一番難しい承をどう取り扱うのか。など、読み手がより本を深く楽しむためのヒントが盛り込まれていたり、また単純に、筆者のオススメの書を読むのも楽しいかもしれない。