感情タグBEST3
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「あなたは、私を死刑に出来ますか」
冷たい鈴音が境内に響き渡る。
女が、あんぐり口を開く。
血も凍る獣の舞踏、暴虐、虐殺。
凶器は〈バケモノ〉。
目の前にあり、立証不可能。
戦慄の法廷。
裁くのは、誰?
御守りだけは肌身離さぬようーー
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師走本⑨
「人がバンバン死にまくる本・再び」
今までの人生、ほぼ犬の張り子に注目して生きてきませんでしたが、これからは心置きなく怯えることができます。ホワイダニットと話の雰囲気がとても好き。それは何故か…?私の、趣味です
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展開は読めてしまうけど、設定がおもしろいのと文章が平易で読みやすいのでさらっと読めた。
最後の、このミス大賞に応募してきた時点でこうだったけど選考員のアドバイスを聞いてこうなって~みたいな話が興味深かった。作家デビューするって大変だねぇ…
Posted by ブクログ
読み出してすぐ,特殊能力を持つ犯人を現状の現状の法律でどうこうできるのか!?と思いました。
通常は特殊能力VS特殊能力な構図が多い中
対普通の人って・・・
口から出した張り子の犬を使い小学校で多くの死傷者を出した少女
なんとか捕まえたものの犬が見えるのは警察官の夏木のみ
少女は犬を使い殺害したことを認めるが,それを立証する手立てがない。
彼女の目的は一体何なのか。
人に対する憎悪で張り子の犬たちが殺戮を起こす
こんな能力があったら人は絶滅してしまうんだろうなと
ラスト
少女に対して死刑が執行された
しかし,町で夏木は張り子の犬が歩いているのを見かける
後をつけるとそこには20体はいる犬たち
夏木は襲われてしまう
一体犬を産みだしたのは誰なのか
謎を残しつつ終わってしまいました。
Posted by ブクログ
現実離れしたストーリーながら、登場人物(犯人、刑事、弁護士)のキャラクターがしっかりと設定されていて違和感なくストーリーに入っていけた。
また、なぜ張り子の虎が出現するのか、犯人にどのような過去と事件を起こす経緯があったのかなどの伏線が随所に散りばめられていて、それが後半になって次々と回収されていくので、後半は一気に読み進めてしまうぐらいスピード感があった。
殺人現場の描写が若干ハードなので、読む人によっては苦手に感じるかもしれないが、それを差し引いても面白さが上回る一冊だ。
Posted by ブクログ
設定が面白く、思念物体というあやふやなものではあるものの、どのように事件が起こされたのかは明らかで、問題はそれをどのように法の下に立証していくのかに焦点を当てて物語が進んでいく。
それぞれの立場から話が描かれるため、飽きることなく読み進められる。
被告人自身は極刑を望んでいる。しかし弁護士はその意志と関係なく無罪を得ようとする。
人物関係も、またなぜこのような事件が起こったのかも次第に明らかになっていく。すべては犬の張り子が鍵を握っている。
Posted by ブクログ
設定が面白かったです。原型は金魚だったらしいですが、この金目の犬張り子の設定ってのが特別感があるなと思いました。犯人が捕まった後は、13匹目にどう対処するのか、公判が重なり、日付けが12月に迫ってくるほど、どきどきしながら読みました。しかし、あれだけ誕生日に1匹増えるって言ってるのに、気付かない設定でいいのかとは思いましたが、それまでのやり取りは面白かったです。
Posted by ブクログ
思念物体である犬張り子を使役して大量殺人を行った恐るべき犯人。果たして超能力を用いた殺人は法廷で立証可能なのか、というとんでもない荒唐無稽でぶっとんだ設定のホラーミステリです。そもそもなんで犬張り子!? 情景を思い浮かべるだけでシュールすぎて、頭がぐるぐるしてしまいます。殺戮シーンは相当グロテスクではあるのですが、そのシュールさが勝っているせいなのか何なのか、ユーモラスにすら思えてきました。
ところが。後半はしごくまっとうな論理に従った法廷サスペンス。そして犯人である亜莉亜の動機と目的、さらに犬張り子にまつわる因縁の物語まで、目を離せず読む手も止まらない要素がてんこ盛り。最後の最後まで気を抜くことができず、わくわくぞくぞくさせられっぱなしの一作でした。
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口から犬の張り子を出して虐殺をするアリア。
見えない不可思議なモノを法廷でどう立証するのか、弁護士がなかなかのやり手で裁判結果が気になり頁が進む。
最後の最後、ない方が好きだなぁ。個人的には。
Posted by ブクログ
事件現場となった小学校で刑事の夏木が見たのは、何匹もの巨大な犬の張り子が、人間に襲い掛かり、嚙みつき、殺す地獄絵図だった。
警察は犬張り子を操る女、アリアの逮捕に成功するが、夏木以外の捜査員にはその犬張り子は見えていなかった。存在を証明できないものでの殺人を、法廷で裁くことは出来るのか。
法廷ものに、科学で証明できない凶器を使役する超能力者を組み込んだホラー×サスペンス小説。
犬の張り子人形という凶器、超能力者を司法で裁くという設定が独創的で面白いです。犬の張り子で殺人を犯すって、絵的に想像するとシュールですが殺戮シーンなんかは割と残酷。
犯人のアリアが極刑を望みながらも弁護士に依頼をした理由、犯行の動機、そして裁判の行方。デビュー作ながらハラハラしつつ最後まで楽しめます。
個人的には、やってしまったことは許せない事ではあれど、最後まで読むとアリアには若干同情的になってしまいます。壊れてしまった女の子って感じで。どちらかといえば弁護士の方に嫌悪感があるかな……。
ラストまで読むとさらに胸糞悪さが加速します。イヤミスとかが好きなら不快な気分になれるのでお勧めです。