あらすじ
世界200万部突破の『三つ編み』著者最新作 学びの機会を奪われたインドの少女と異国の教師の物語 元教師のレナは、旅先のインドで十歳の少女に出会う。少女は、養父母によって毎日働かされ、学校に通うことを許されていないという。「女に勉強はいらない」。この因襲に従う人びとの猛反発を受けながらも、レナは、少女たちのための学校を作ろうと動きだす――。
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Posted by ブクログ
レティシアさんの3作目、
相変わらず、とても良かった。
レナ、ラリータ、プリーティ ー 絶望の淵を経験してきた3人の女性。恋人に先立たれ、両親と離れ離れになり、出産で母子共に命を落とした姉がいた過去。
打ちのめされながらも、力強く前進していく3人はすごい。
インドの過酷な格差社会の中で、最下位層にあたるダリットは、人として扱われない。子供は学校で虐待やいじめにあう。さらに女性は教育不要、児童婚が当たり前の世界。
自分で決めることができない人生、覆すことができない状況に生まれて、生きる意味をどこに見出したら良いのだろう。
無理やり結婚させられたラリータの親友の話には、悲しみ以上に悔しさを感じた。
救いの手を待っている女の子がたくさんいることを改めて認識した。
Posted by ブクログ
伝統を守る
それはとても大切なことだけど、時に足枷になる
外から見て悪習だと思ってもそこで生きている人たちには大切なこと
何万歩も下がってそう考えたとしても、納得がいかない
カーストと貧困を甘んじて受け入れる、そのループを生むのが村の伝統を従順に守る家庭だなんて!
呪縛は果てしなく、子供にも自分と同じことをさせるのが当然なのだと信じて疑わないのだから、何も変わらない
だって、それが呪縛だと知らないのだもの
間違っていると思わず、声を上げる術も歯向かうこともしない受け入れるだけの人生
いま私と同じ時間が流れている別の場所で実際にあるということ
レナの奮闘は砂漠の中の一滴の雫に過ぎないかもしれないけれど、いつか水滴がたまる日が来ること、あの子の声が聞こえる日が来ることを祈ることしかできない
Posted by ブクログ
ジャナキの一件が起こって、やっぱりフランスに帰るってなった時は「えぇぇぇぇ⁈ 」とプリーティと一緒に怒りが湧いたけど、諦めずにプロジェクトが一歩また一歩進んでいくさまに胸を撫で下ろしました。女性差別、貧困、不可触民、現状を知れば知るほど辛いし悲しい。
Posted by ブクログ
『三つ編み』に出てくる少女が重要なカギとなる小説。
主人公のレナはある理由でインドへ1ヵ月ほど滞在することになるが、その少女に助けられ、恩返しとして英語を教えることになる。そこから文化や言語の壁を乗り越えて仲間も集めて学校を立てることになるが、様々な試練が待ち受ける。
三つ編みと同様女性に対する差別や格差について言及する描写が多く、インドでの状況を細かく知ることができる。主人公が女性を守る集団リーダーであるプリーティに会うことになるが、本当に存在するのであればインドも少し変わってきているのだなと思った。インドならではの風習で女性が若くして結婚させられたり、女性の教育は必要ないといった固定概念が強くあることがよくわかった。
少し話の展開が遅かったが、とても読みやすい文章と描写が特徴だと感じる。
違う文化の環境の中で、周りの人の固定概念を変えることの難しさや自分の決断によって巻き起こる事件に永遠に繰り返されてしまう負の連鎖にうんざりしてしまうことが多いのでないかと感じた。NGOやボランティアで全ての貧困や教育の問題が解決できないもどかしさがあるのでメンタルやモチベーションを維持するのはとても難しいと感じた。