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Posted by ブクログ
刑事・貴島柊志シリーズ 第3弾。
プロローグ
第一章 死体は夜歩く
第二章 死者を追って
第三章 死体が殺した
第四章 もう一人の死者
第五章 再び密室
第六章 やっぱり死体が殺した
第七章 まだ終わっていない
第八章 死霊は囁く
不動産会社を経営する奥沢と上山、そして奥沢の妻・千里が密室状態の邸宅から遺体で発見される。
奥沢と上山は鈍器で撲殺されたようで、千里は泥だらけ。
しかも奥沢は電話で「死体が生き返った」との謎の言葉を残していた。
奥沢は愛人に妻を殺害して保険金を搾取する計画を話していた。
奥沢達の不可解なアリバイ工作と過去の事件の女性の影がちらつく。
果たして本当に死体が犯人なのか?
読者がありきたりな推理をしたところを、上手く裏切ってサプライズをしかける手法。
複雑なトリックじゃないのに、視点をずらすだけでこんなに面白くなるなんて、作者の構成の妙に感嘆しました。
2時間ドラマでありそうな話ですが、この厚みは本でないと実感できないと思います。
Posted by ブクログ
面白かった。そこそこ長いので読み応えもある!
微妙にリンクしたそれぞれの犯人が異なる2つの事件を解決するのも読み応えの理由!
千里が死んだ顔がひどい理由がイマイチ分からなかった。
それにしても、3人が死んだ事件は一体どういうトリックなんやろと思ったら事故とは。。
裕也が死体を動かすのもちょっとあり得ないというか。
次回作がすごい良いらしく、それを読むためにこのシリーズは読んでるので楽しみ!!
Posted by ブクログ
刑事・貴島柊志シリーズ第3作目。本作のタイトルと異なり前作よりも怪奇色は薄めで、本格色が強めの作品。400頁をこえる長編ですが最初から最後まで興味を削がれることなく、面白く読めました。見えない「縁」の糸、ラストに因縁を感じる。
Posted by ブクログ
貴島柊志シリーズ3作目。
死体がゾンビのように生き返って二人の人間を殺してしまったのか?貴島が今回も変わった相棒を携え、事件を解き明かす。ホラー風味の事件を、破綻なく現実のミステリーとして成立させているのが見事。複雑なアリバイトリック、偶然の掛け違えにより更に複雑化されてしまった事件の真相を漸く解き解したと思ったら、また更なる展開が待っていた、というストーリー展開も面白い。ホラー風味もちょっぴりだが最後まで残されていたのも良かった。
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会社経営者奥沢峻介と妻千里、奥沢の盟友上山の3人が死体で発見された。千里は左手薬指が切断されていた。現場は密室状態。最初に殺害された千里が2人を殺したのか。不可解な犯罪の解明にあたる貴島刑事。大胆・斬新なトリックを解く。
ケータイもなかった93年の作品。ややごちゃごちゃしていたものの、「大胆・斬新なトリック」の看板に偽りはなかった。「昭和っぽさ」満載、女・松本清張のような話の展開はいつもの今邑作品で、歯切れのいい文章に引き込まれて一気に読んでしまう。
(B)
Posted by ブクログ
なかなか面白かった。
最初から犯人が誰なのか分かっているのだけど、事件の裏側には複雑に絡み合った事情が存在していて・・・。
急遽予定を変更せざるを得なかった殺人。
過去の事件。複数の要素が絡む展開が面白い。
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二つの事件を無理やり一つにまとめたような感じで、ちょっとごちゃごちゃしてしまった感じ。
主人公の相棒の女刑事は何かありそうで結局何もなかったという肩透かし。
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3
タイトルを含め道具立てが秀逸で、事件の見掛けはまさにカーのそれ。章ごとのサブタイトルにもカー趣味が溢れ、目次を見ただけでにんまり。プロットも整合性が高く見事。ただ解決に至る筋立てが少し平坦であっさり気味。特に一つ目の事件の真相には特に驚きもなく、明かされ方自体が探偵役が一方的にしゃべって終わるだけで味気ない。動機面などで二つの事件がもう少し絡み合っていれば、もう少し好印象だったのだが。
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貴島シリーズ3作目。
今作はホラー的怖さより、人の心の奥底に秘められた歪みや黒い欲望といったものの怖さがありました。
張り巡らされた『縁』の糸。
絡み取られ、逃れる術を持たなかったのか。
抗わず共に堕ちていくのは心の弱さ、浅はかさか。
今邑さんは歪んだ人物像を描くのが本当にお上手ですよね。
アリバイ崩し、密室の謎解き等、ミステリとしての面白さも勿論味わえます。
死体が殺した?いや、まさか。
この奇怪な状況をどう着地させるのかというのも興味深かったです。
貴島も存在感が増してきた気がします。
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今邑さんの本は短編しか読んだことがなく長編は初めて!少しトリックやら結末が読めてしまったのですが、今邑さんのどんでん返しはやっぱり好きです!密室の殺人事件から派生する事件やらが面白かったかな。
Posted by ブクログ
私が信用しているミステリーの「目利き」に教えてもらった一冊。そんなことでもなければ一生読まなかったでしょうね、これ。なにせタイトルが「死霊」だもんね(笑)。で、中身はタイトルほど怪しくはありません。一応、正統派の推理小説。一発で相手を殴り倒すハードパンチャーではないけれど、手数を多く出して判定で勝つって感じの作家かな。それにしても、「死霊」はないよなあ。くどいけど(笑)。