あらすじ
なぜかイライラしてしまう。特に理由はないのに不機嫌になってしまう。そんな経験はありませんか? 本書は、感情を素直に表に出せない心理や意味もなく相手を恐れてしまう心理をわかりやすく分析しながら、不機嫌になる原因を探っていきます。「甘えは満たされにくいから、甘えているものは傷つきやすい。そして傷つくから憎しみを持つ。その憎しみを直接吐き出せば素直になれる。でも、吐き出さないから不機嫌に押し黙る以外になくなってしまう。特に、身近な人に対してそうなりやすいのだ」と、著者は言う。
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Posted by ブクログ
この書籍は「神経症型」と筆者が呼ぶ人たちについて、その機制を様々な問題行動を例にしながら示したものである。
『たとえば子供が自殺した時、よく周囲から「変化に気がつかなかった」と言われる。「思い当たることがない」と周囲の人から言われる。』という文章を読んでグッときた。
会社に入って数年後だが僕は同期を自殺で失っている。その時に同じセリフを自分で言ったからである。
『つまり自殺する子供は、周囲の人々から関心を持たれていなかったのである。』
きっとその通りなのだろう。相手の変化に気づかないというのは僕の問題であったのだと思う。
『近い人物にしつこく絡むのは心理的に幼稚な証拠である』という節がある、これは以下の矛盾の現れである。
『幼児的な受け身願望を相手が満たしてくれることを求める。そのくせ相手が自分を立派なオトナであると見なすことを要求する。』
人間関係を改善するといったWeb記事を読んでいると、「好かれたいと思うことをやめる」といった文章が書かれている。世の中に「神経症型」の人が結構多いということの現れであると思う。
残念ながら良いリファレンスが近くにいない場合も多く、一気にその生き方を変えることは難しいかもしれない。しかし、それを改善する方法は必ずある。
しかし改善の前には、この本で取り上げられている問題と向き合い、受け入れることが必要である。「自分には関係ない。」と本当に言い切れるか真摯な気持ちを持つべきだ。