【感想・ネタバレ】荀子のレビュー

あらすじ

古代戦国期、秦帝国出現前夜の激動の時代を生き、儒家ながら、伝統的な儒家の枠組みに収まりきらない異色の思想を展開した荀子。「性悪説」で名高い人間観や「天人の分」で知られる自然観、「礼の王国」論に見られる国家観等々、現実的かつ合理性に貫かれたその思想像を多角的に探り、中国古代思想史上の位置を明らかにする。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

荀子の時代は秦帝国が成立する直前です。中国各地を支配する国々も限られ、もはや中国統一まであと少し。ですが孟子の説く「善政」など夢のまた夢・・・「孟子の願う善政によって社会はよくなるのだろうか、いやいや、そんな理想論では広大な国土を統治するのは不可能だ、もっと現実を見なければいけない」という見解が出てきます。

だからこそ荀子はより現実的、合理的に世界を見る「性悪説」を説いたのでありました。この辺の流れは本書で詳しく説かれますのでぜひ読んで確かめて頂けたらと思います。ものすごく面白いです。

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2024年08月23日

Posted by ブクログ

中国人の考え方を知るにはまず古代思想から。その2。

かの有名な「性悪説」の荀子。
読む前から「この人とは絶対気が合う!」と思ってましたが、果たして、少なくとも孔子よりはかなり共感できる。

ただ注意したいのは日本語から想像する「性悪」と荀子が言うところの「性悪」とはちょっと違うよーということ。
こで言う「悪」は社会秩序が乱れる、ということで、人が皆欲望のまま振舞ったら社会の統制がとれないよ、とゆう意味。
「邪悪」とは違うよ、と。

この「同じ単語・文字を使ってるけど表す意味が違う」ッて、すごいよくあって、大いなる誤解の元だよね。
特に中国語と日本語なんて同じ漢字を使ってるから、漢字見ただけでこういう意味ッて思い込みやすい。
その勝手な、というか独自の解釈で日本では広がってたりしてね。
『武士道』でゆうところの「忠」とか「孝」とかももとの意味と同じなのかな?とか疑ってたりして。
ちゃんと比較検討はしてないんだけど。

閑話休題。
儒家に連なる孟子→荀子→法家の人たち、ッてみると、すごく時代に合わせた変化を遂げてる、というイメージ。
だから脈々と生き続けてきたんだろうなあ。
その中でも荀子ッてちょっと地味、というか目立たない感じだし「性悪説」ばっか注目されるけど、経済の考え方なんか、今でもなるほどーとか思えて興味深かった。

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2013年04月20日

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