あらすじ
モラハラ夫、我が子を見捨てる母親、身寄りのない記憶喪失の男……横浜家裁川崎中央支部にやってくる家事事件の当事者たちは多種多彩。社会から零れ落ちそうな人たちの心を開き、それぞれの人生に寄り添うため、赴任したばかりのかのんはひたむきに奔走する! 人間、そして家族の表と裏を心揺さぶる筆致で描く連作短篇集。
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Posted by ブクログ
シリーズ2作目。
前作がおもしろかったので、読むのを楽しみにしていたが、ようやく読めた。
いろんな人がいろんな考えで生きているんやなあ。
とにかく大変な仕事だというのが伝わってくる。
当たり前のように食い違う話。ウソ、投げやり、感情爆発、泣く、お金。
読んでるだけで疲れてくるよなあ。しんどい。
でもちょっとしたところから、解決への道筋を見つけていく庵原調査官はすごいな。
ちょいちょい出てくるくりりんとのシーンがとてもよい。ほっこり。
こういうスペースがあるから、かのんさんも頑張れるのだろう。安心できる場所、大事。
当事者たちが最終的にどうなったのかははっきりとは書かれていないが、それがいい。
家裁調査官の仕事はそこまでということなのだろう。
それに次から次へと案件がやってくるからな。
田井氏の案件はさてどうなることやら。続編に期待でいいのかな。
Posted by ブクログ
「家裁調査官・庵原かのん」の続編短編連作集。
・幽霊
・待ちわびて
・スケッチブック
・引き金
・再会
・キツネ
・はなむけ
の7編収録。
北九州から横浜家裁川崎中央支部への転属、少年事件専門から家事事件全般担当変更、さらに結婚、コロナと多くな環境変化が一気に訪れるところから始まります。
続編といっても前作を読んでなくても、上述したように全く違う環境になっているので問題ないです。
で、離婚、親権、面会などの家庭崩壊問題と遺産、慰謝料などの金専問題がメインです。
少年係を長年していたためか、家庭問題の中の少年少女中心に考え、より良い落としどころを探る主人公の優しさが心地よいです。
職場のメンバーがメインの話はないのですが、少しづつそのキャラもわかるようになってきて、続編にも期待したいです。
それにしてもパートナーの栗林(くりりん)の存在が救いになっていますね。