あらすじ
土地持ちの大富豪・片岡家と山波家は先祖代々“伝統的に”(?)犬猿の仲が続いていた。片岡家の長男義太郎と山波家の長女晴美が、相愛の仲となって駈落ちするに至り、事態はますます紛糾した。それから12年――。片岡家の三男坊と山波家の一人息子が、刺し違えて死亡する事件が起こった。だが、そこに殺人の匂いが。そして第二、第三の殺人が……。超人気作家・赤川次郎が放つ、「三毛猫シリーズ」第三弾!!
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Posted by ブクログ
駆け落ちから12年。
兄弟の死と、駆け落ちした2人を探しに東京へ来た人たち。
山波晴美と片岡義太郎という名前は、
主人公片山晴美とその兄の刑事の片山義太郎と同じ。
話はいりくんで、長編としてのおもしろさをかもしだいている。
幕切れは意外だが、どちらも孫は生き残り、子孫が絶えなかったことだけが幸いかも。
三毛猫ホームズの活躍と、石津刑事の活躍も特筆。
Posted by ブクログ
片山兄妹と名前が一緒で12年前に田舎から駆落ちしてきた片岡義太郎と山波晴美の周りで起こる事件の数々。
凶器の類似性や財産目的などといった伏線から犯人が1人かと示唆しつつ最初の事件の意外な真相、
父親たちが12年経ってから義太郎と晴美を探し出した理由など様々な要因が絡んだストーリーであった。
最終的な黒幕の動機はスタンダードであったが、それまであまり大きな役割を果たしてなかった秀二郎の恋人が絡んでくるのは良い展開だった。
Posted by ブクログ
シリーズ第5作。
ロミオとジュリエットを下書きに、全く異なる魅力と謎が渦巻く物語。ある2つの因縁の家族から殺人や未遂が続き、誰が何の目的でやったのか解き明かしていく。
片岡義太郎の酷さと、三浦晴美・片岡令子の気の毒さが際立った。
赤ちゃんを救ったホームズにも怪我がなくて良かった!
Posted by ブクログ
最初のプロローグはまた片山達の夢の話かと思ったら、別の義太郎と晴美の話だった。しかし、17と14で駆落ちだなんて、そりゃうまくいかないよ。別の人と結婚することもあるわな。しかし、今回も大量に人が死ぬ話だった。しかし14で学校も行かず、こんな人生を送るとは。小説だけど。
Posted by ブクログ
三毛猫ホームズシリーズ 第5弾。
大富豪の片岡家と山波家は先祖代々犬猿の仲。対立を続ける両家の長男・義太郎と長女・晴美が恋に落ち、駈落ちする・・・と言う「赤川版ロミオとジュリエット」的な話から始まる今作。
時は経ち、12年後に片岡家の三男と山波家の一人息子が河原で刺し違えて死亡する事件が起き、財産を巡る奇妙な物語が動き出す…。
冒頭、義太郎のありえない夢から始まったのかと思いきや、同名の人物の行動だったと言うところからクスクスと物語に引き込まれていった。
黒き欲望は愛する者をも疎ましく思ってしまうと言う、悲しくもリアルな内容でもあった。
最初の事件の意外な真実、真犯人の黒き欲望、そしてお馴染みのドタバタ劇。今回も例に漏れず、推理の楽しさも盛り込まれた読み易い作品であった。