【感想・ネタバレ】償いは済んでいる―忘れられた戦犯と遺族の歴史のレビュー

あらすじ

平和の日々の中で消し去られた歴史の真実と悲劇――太平洋戦争は遠い過去の出来事となりつつあり、覚えている人も少なくなった。しかし、現在の「平和」は戦犯として罪を問われた人たちの命と引き換えに得たものだ。日本はかけがえのない人の命をもって、戦後にお詫びや償いを済ませてきた。息子が、夫が、父が、なぜ、どうして、どんな罪をどう問われて、戦犯となり、命を奪われたのか! 無念の思いを胸に抱えて生きてきた、家族の人生を徹底取材。 忘れられた20世紀の歴史の悲劇に迫る渾身の1冊!!

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Posted by ブクログ

本書の中で上坂冬子氏は次のように仰っている。「戦後補償を論ずるなら、敗戦から講和条約締結までのあいだに戦敗国が戦勝国から受けた報復の事実と、いわれたとおりに日本が済ませた償いの事実を見極めてからにすべきです。そして、もし日本が国際社会に向かって不戦決議をするなら、まず何よりも不公平な裁判によって戦争”犯罪人”と位置付けられてきた名もない国民の名誉回復を決議するのが先決だ」この言葉は本書の内容を、そして現在の日本の異常とそこからの脱出を的確に表現していると思います。

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2010年05月22日

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