あらすじ
早くに夫を亡くしたあとも、ひとり仕立屋を営むレーネ。ある日、黒装束の男が現れ、「ドレスを一着頼みたい」という。店に運ばれてきたのはなぜか腐敗しないという美しい少女の「遺体」だった。初めは気味悪く思っていた彼女だが、採寸のために彼女に触れるうち、「こんな子が、私たちの娘だったら良かった」と思うと愛しさは増してゆき、物憂げな表情をしていた彼女は、日増しに明るさを取り戻していく。だが実は、亡夫に対し、レーネは大きな秘密を抱えていた…(「林檎と贖罪」)。――決して腐敗しない、死せる美少女エリス。目を開けることも、しゃべることもない彼女がもたらすのは、破滅か、祝福か? ダークメルヘンの世界へようこそ。
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続編
まさにダークメルヘン。前作からの伏線が回収されるものもあり、エリスの正体は明かされないまま…でもその方がこの作品には合っていると思います。
Posted by ブクログ
ダークメルヘン再び。
今回もエリスは様々な人を魅了していく。
性別も年齢も問うことなく。
そして、魅了された者たちの最後は全て……
粗筋にあった話以外は、前作の後日談と「カロン」についての物語と作品世界の掘り下げ話となっている。
粗筋にあった話も後日談といえば後日談だけれども、ちょっと他の話2つが性質が違うというか。
特に「カロン」の物語は奥深かった。
伏線は前の話から用意されているので、その違和感に気付けると「おお!?」となるかも。
この作品、時間軸順に各話が配置されている訳ではないので、下手すると時間軸が大幅に前後するので注意が必要。
でないと、ミスリードに引っかかる。
ポイントは没個性の「カロン」唯一の印象的な部分を覚えておくこと。
それにしても、「カロン」の話を読んでいて思ったのは、本当の狂人は内部から狂うってこと。
外側から見て何の異常がなくても、とっくに壊れている。
それを気付かせないところが、怖い。