あらすじ
「佐治は偽悪病患者だ。接近させてはいけない」兄の警告を妹は一笑に付したが……犯罪の萌芽から事件発生と解決まで往復書簡形式で語られるモダン探偵小説の表題作、犯行に至る殺人者の心理を克明に描き、“なぜ殺したか”の謎を追求した「死の倒影」「情獄」、掘り出し物の骨董をめぐる奇譚「金色の獏」、都市伝説めいた怪現象が連続猟奇殺人に発展する犯罪幻想譚「魔法街」他、全九篇。日本探偵小説草創期に江戸川乱歩、甲賀三郎とともに絶大な人気を博した巨匠、大下宇陀児の多彩な作品を紹介する短篇傑作選。/【目次】偽悪病患者/毒/金色の獏/死の倒影/情獄/決闘介添人/紅座の庖厨/魔法街/灰人/〈エッセイ〉探偵小説の型を破れ/探偵小説不自然論/解題/解説=長山靖生
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Posted by ブクログ
傑作選全二巻のうちの第一巻。収録されているエッセイ「探偵小説の型を破れ」で本人が主張しているように、謎解きよりも、犯罪に手を染める人間の心情を描くことに注力された作品が並びます。神戸のような異国情緒あふれる港町が血に染まっていく「魔法街」、親友の妻に許されざる想いを募らせた者の末路「情獄」、温泉の湧く村の自然描写がクライマックスに効いてくる「決闘介添人」が素晴らしかったです。第二巻の発行が楽しみです。
Posted by ブクログ
昭和の雰囲気が漂う探偵小説の短編集。
兄妹の書簡のやり取りだけで物語が進む表題作や、子供の視点から家族の不穏な事件、女性を巡るドロドロの争いや、落語のような滑稽話、幻想的な街に起こる不思議な殺人事件など、とにかく物語の幅が広く、どれも飽きない。
Posted by ブクログ
表題作品の犯人が意外すぎて、全然気づかなかった。
面白かった。
全体としては、同時期に発売された
烙印のほうが、自分的には好みだった。