【感想・ネタバレ】日本移民日記のレビュー

あらすじ

韓国出身の移民として生きる経験に根ざし,日本語表現の新たな地平を切り開くラッパー,MOMENT JOON.日本のヒップホップ,「外人」であること,差別語,詩人・金時鐘との出会いなど,日々の経験と思索から見える日本社会の風景を,鋭く率直な言葉で綴る.硬直した社会にくさびを打ち込む,待望にして初の著作!

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Posted by ブクログ

もともと曲(声やフロウ)が好きだったが、これを読んだあとだと歌詞がいかにリアルな彼自身の言葉なのかが分かった。日本人にとって差別用語も銃の表現も差し迫った問題ではないはずなのに、なぜか日本HIPHOPにおいては頻出しているという状況のなかで彼が発する「チョン」や「移民」には軽さがないことがわかるだろう。

移民や韓国の話題が中心とはなっている。個人的には移民問題をもっと広く捉え「キャラクター」と「個人」の乖離について述べている部分の洞察や悩みの部分が面白かった。

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2022年10月31日

Posted by ブクログ

彼の切実さにリアリティが持てなかったのが悲しい
こういう自分のような人が考え無しに傷つける言葉を使ってしまうのかも、と思うと背筋が凍る

でも知った。スタートラインには立てたと思っている

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2023年01月31日

Posted by ブクログ

自意識の密度がすごい。それをラップにするだけでなく、研究にまでする。自意識が止まらない自分をラップにする自分を研究する自分をエッセイにする自分…。いわゆる「差別語」や「在日」について、底なしに突き詰めていく様もすごい。

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2022年07月18日

Posted by ブクログ

普通に日本で暮らしているだけではわからない、マイノリティの視点から見た「日本人」のヘンテコな部分に気づかせてくれる。と同時にヘイトスピーチ(=異質なものに対する恐怖と怯えからくる攻撃的な反応)をする人がこんなにも多いのかとショックを受ける。それを浴びせられながら暮らしている人がいるということを忘れずにいたい。

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2022年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ


日本語上手ですね
p19
実は、今まで「日本語上手ですね」を何回聞いたか正確に覚えてますが、二〇二〇年の一一月二日の時点で合計一二万五六二八回でした。知っていましたか? 日本に住む「外人」なら、みんな自分が「日本語上手ですね」と何回言われたかしっかり数えているんですよ。

p22
留学生たちの間には、「日本語上手と言われる段階でお前の日本語はダメ」という、冗談か警告かよく分からない言葉があります。

バッド・エンドへようこそ
p165
「ビリー・アイリッシュが温暖化だ何だ言うのも、全部ファッションじゃないの?」「カッコいいから鬱で商売しているんじゃない?」と言う人に、じゃ彼女のようにこんなトピックについて歌うアーティストが日本の大衆音楽にいないのは、日本の音楽業界は超オーセンティックでリアルだからですよね、と皮肉が言いたくなります。


挑発的。切れ味鋭い語り口。そして文章うま。
イリナ・グリゴレとかジュンパ・ラヒリ(は邦訳だけど)とか母国語ではない言語で書かれたエッセイに最近触れる機会が多いのだけれど、本作はそういったエッセイとはやや異なる受け取り方に。その外国語が私の母国語だから。最初はあるあるネタでいくのかと思いきや(モーメントもそう書いてた)論文の一部を挟んで、いろんなところに話が広がっていく。皮肉、シニカル、たまに暴力的でも語り口は非常に丁寧。自問自答がいつしか読者自身への問いに。それからラブレターに。Moment Joonの音楽を聴いたことのない人にもおすすめできる一冊。

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2025年11月18日

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