【感想・ネタバレ】職業としての官僚のレビュー

あらすじ

旧態依然のイメージで語られ続ける霞が関官僚の職業実態を示し,職業としての官僚が国民や政治に対し担うべき役割,現状をあるべき官僚像に近づける方途を,政官関係の歴史的変遷,各国比較などを交えながら考える.メディアでのバッシングや政治主導の掛け声だけに満足せず,我が事として官僚を見つめる必要を説く.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

過去や海外と比較しても、政治と密接にリンクされた責任だけ強化されて身分保障が剥がされていっているイメージ。。日本の官僚これでいいのか?

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2024年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

総合職試験では、合格者総数が採用予定数の約3倍。採用されないほうが多い。婚活に近い。合格すれば3年間有効。

かつては、省庁内での長期選抜制度、任期付き任用や官民交流、経験者採用はない。超過勤務手当予算はモラルハザードになるという理由で引き上げられなかったため、サービス残業があたりまえとなった。100時間以上残業しても手当は22時間分。朝はルーズ、昼も長めにとる。超勤手当を払っていないので時間管理はルーズだった。50代前半までには事務次官候補を残して退職する。天下り。上級職以外は定年まで勤めることが普通。

2031年には、定年65歳となる。民主党政権下で事務次官会見がなくなり、受身になる状況が生じた。橋本行革から、権限の分捕り合戦から、相手に仕事を押し付ける消極的権限争いに代わった。政策立案に携われるのは課長級から。以前は課長補佐あたりから。残業代は100%子宮になった。採用の決め手は、試験席次よりも、今後の使命感があるか、バランス感覚の良さ。採用後の働きで本省課長にならないⅠ種総合職採用も増えている。

公務員改革は、橋本政権の行政改革から。小泉政権、第一次安倍内閣、民主党政権、第二次安倍内閣へと続く。
幹部人事一元管理の導入。内閣人事局ができたことで仕事ぶりが変わった。上にモノいわないほうが有利。最近は、価値判断は政治、粛々と実施すること、と割り切った世代が多い。

フランスは大戦直後にENAが創設された。今は特権的な制度として解体が進んでいる。
ドイツでは官僚は司会的評価は高く、魅力的と受け止められている。
アメリカは政治任用との差が大きく、官僚は学生の人気はない。良質な公務員制度とはいえないのではないか。

アメリカは、開放型で政治任用が多い。
ドイツ、フランスは内部育成型、政治任用はフランスは多め。
イギリスは、開放型へ変化。政治任用は少ない。
日本は、内部育成、政治任用なし。
フランスドイツは、入り口で幹部候補が決まっている。日本は採用後の実績で逆転もあり得る。
フランスはENA、ポリテク入学段階から給料が支払われる。最近改革が進んでいる。フランスは官僚身分を持ちつつ政界や企業に移り、また復帰、などが頻繁。
アメリカは、政策立案は政治任用者が行う。職業官吏制を嫌った。下位ポストは成績主義。公募に応募する必要がある。

日本の幹部の多くは専門性がない。特定分野への精通は昇進の妨げになる。
日本では官僚への過剰な期待がある。小さな政府=個々人の職分が明確でないため人数を増やす根拠がない。人事権者への過度の忖度。幹部人事一元管理により、2014年からは忖度する相手は総理と内閣官房長官に行こうした。

誰もが官僚制を非難するくせに、自分が必要とするすべてを求める。18世紀半ばから続いている。

ウェーバーの官僚制研究
規則による権限分配、階層性、私生活からの分離、専門教育を前提とする職務活動、専業と契約労働、規則に基づく職務追行、
政治の背後には正当な暴力(強制力)という特殊な手段が控えている。
官僚制はみんしゅしゅぎのごうりてききけつだが、感情による攻撃も伴うもの。

クレーバーの『官僚制のユートピア』官僚制に代わる至上主義、経営主義の強調は、新たな規則化につながる。

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2022年09月27日

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